フランス国家最優秀職人親子のパン屋さん

MOFという言葉を聞いたことがありますか? MOFとは、Meilleur Ouvrier de France(フランス国家最優秀職人)の略で、重要無形文化財級の技術を持つ職人に与えられる称号です。

※このお店は2013年2月現在、閉店しています。
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今春、タカシマヤフードメゾン 新横浜店にオープンしたArt de pain(アール・ドゥ・パン)は、親子でそのMOFの称号を持つジョゼフ・ドルフェールさんと息子のリシャールさんがアルザスに本店を構えるパン屋さん。日本ではドンクが技術提携をして、運営しています。

ジョゼフ・ドルフェールさん(左)
リシャール・ドルフェールさん(右)
アルザスのアール・ドゥ・パン本店(7 rue poincare 67240 bischwwiller)

この10月、新横浜店のアール・ドゥ・パンの取材とともに、各地のタカシマヤで開催された2008 タカシマヤ フランス展の催事のために来日したジョゼフ・ドルフェールさんにお話を伺いました。

アルザスのアール・ドゥ・パン、日本のアール・ドゥ・パン

Art de painとは「パンの技術」、「パンの芸術」という意味です。アルチザン(職人)でありアーティスト(芸術家)。技の中に芸術も入る、とドルフェールさんは考えます。この店名にしたのは、「息子のリシャールが4年前に店を継いだときからです。ふたりで考えました。その前の約40年間はブランジュリー・パティスリー・ドルフェールでした。時代の流れと共に変わっていくところもあると思いますが、大きな変化はないですよ。すべて継承しています」

アルザスは歴史的に、ドイツやオーストリアからの影響を強く受けた地域で、パリとは違う独特の文化があります。アルザスならではのパン、オリジナリティ溢れるパンが、ドルフェールさんのお店に並びます。

ジョゼフ・ドルフェールさん(上)、アール・ドゥ・パンのショウケース(下)

そんなパンを、素材も環境も異なる日本で再現するのは、決して簡単なことではないはず。フランス国家最優秀職人のパンを日本で再現するにあたり、ドルフェールさんのもとで修業したのは、日本の最優秀職人のひとりでした。クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・ブーランジュリー(パンのワールドカップ)で日本が初優勝を遂げた年、チームにいたドンクの菊谷尚宏さんです。

「パンのクオリティーの確保と、向こうで教わったことの再現はもちろん、ジョゼフとリシャールのパンに対しての情熱を、どこまで伝えきれるかが、自分にとっての大きな課題でした」と菊谷さんは言います。材料の性質(特に小麦粉)を日本で使えるものに置き換えた場合、どこまで近づけられるかがポイントとなったのだそうです。