2/2 シェフが語る夢までの過程～創作パンの舞台裏Vol.3　コム・シノワ　幸せになるパン [パン] All About

人の心をしあわせで満たす料理とパン

常識の枠にとらわれず、和素材などを国籍を問わず使った料理パン、流木や木の葉など自然にインスピレーションを受けた様々なかたちのパン、色とりどりのデニッシュ。
その自由自在なパンの様子はそのまま「コム・シノワらしい、すごい発想」と思えますが、それは西川さんが辿っているひとつの過程、ひとつの状態に過ぎないようです。

季節の素材を生かし、バランスを意識するのは料理の感覚。尊敬する料理シェフのやり方を踏襲するようにパンを洗練させていく過程で、コムシノワのパンは今日もたくさん生まれ、より存在感を持つものへと変化していくのでしょう。

オネストカフェにて。

西川さんは、パン職人になられてから今まで一度も料理のことを忘れたことがない人なのだと思います。料理あってのパンだから。
パン職人だったら料理と共に食事のテーブルにのるシンプルなパンを本当は一番作りたい。でも、まだパン食文化の歴史の浅い日本では、そういうパンを売るためにはお客さんに食べ方を提案をしていかなくてはならないのが現状です。

どんな料理と食べたらそのパンが美味しいかを伝える西川さんのメッセージは数々の料理パンとなり、サンドウィッチとなっていきます。

今度は自分で具を作ってみよう、挟んでみよう、その次には自分で料理をして、その料理にこのパンをあわせてみよう。
そうなることが豊かなパン食文化を築くことは間違いありません。

そんなメッセージを持ったコム・シノワのパンたちは、だから楽しい。代用食でないパンは豊かな気持をくれる。心を込めた料理のパンはお腹だけでなく心をも満たしてくれるのです。

「いいでしょうこれ、ライ麦パンで作ったんですよ。」
カウンターに置かれたランプ（右の写真）にも遊び心が。

「店の中のことも、もっともっと考えていきたいと思っているんですよ。
営業という形で環境を作りあげるのではなくてね。」という西川さん。

「人の心を動かすようなものを作りたいと思っています。」
最後のひとことが心に響きました。

■ブランジェリー　コム・シノワ