鍋焼きうどん賛歌
鍋焼きうどんがいつ頃からできてどのように発達したかはわからないが、そんなことにはまったく関係なく、冬の味覚の楽しみの一つである。ソバ屋で食べる鍋焼きうどんもうどん専門店の鍋焼きうどんも皆許されてしまう懐の深さがこのメニューにはある。なんといっても寒い日にグツグツと煮えくり返って出てくる一人用の土鍋か鉄鍋に入った鍋焼きうどんは妙にワクワクする食べ物なのだ。うどんにコシがあろうがなかろうがとにかくグツグツ度が大切なのだ。ちなみにソバ屋の鍋焼きうどんは東京食文化の一つとして数えても良いような気がするのだが・・・どうだろうか。
ひとりで興奮してもしょうがないのだが、冬真っ盛り、こんな日に食べたい鍋焼きうどんを紹介しよう。
和田
残念ながら閉店しました青梅街道の阿佐ヶ谷と荻窪のちょうど中間あたりに位置する夜営業のお店。元小結で活躍したご主人は相当な食道楽と大食いでならしたらしい。和田の看板メニューの一つが鍋焼きうどん。讃岐うどん店なのだがメニューには讃岐らしさはあまり感じられない。しかしうどんは完全な手打ちでしっかりしたコシが特長の存在感のあるものだ。
このうどんで作られる鍋焼きうどんは2300円。巨大な海老天と蒲鉾や揚げ餅などたくさんの具が特徴。薄味のつゆがまた美味いこと。
2人でつついて丁度良いくらいの量だ。鍋焼きうどんをつまみに熱燗なんて幸せだと思う。冷たいうどんは冷しうどんとしてメニューにあるがしっかりしたコシの強さが自慢のうどんだ。天ぷらうどん。かき揚げうどん。肉きざみうどんなどが人気メニュー。締めの一杯にどうぞ。
【和田】閉店
東京都杉並区成田東5-15-24
電話03-3398-5778
営業時間18:00-翌1:00頃
定休日 月曜日 第1第3日曜日
さぬきや
東京の讃岐うどん店では珍しい伸びコシ系のうどんを出す名店。創業が昭和39年と歴史も長い。環七外回り高円寺入り口交差点手前にある。こちらも夜のみ営業。古くからあるお店特有の雰囲気がある。ソバ屋さん系外観で雰囲気のよさがある。長年讃岐うどんを東京で出し続けているがメニュー構成にもこだわりの品書が多い。もりうどん、かけうどんが基本だが鍋焼きうどん1000円も老舗らしい逸品だ。上品にまとまる土鍋に海老天の香ばしさが香る。古き良き鍋焼きうどんだ。
【さぬきやDATA】
東京都杉並区高円寺南4-38-7
電話:03-3314-4488
営業時間 18時頃-23時頃
定休日 日曜日
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