昨今のドラマに見られる撮影時の3つの法則。
『ハタチの恋人』で使われた桜並木を眺める「M&L」。惜しまれながら昨年末閉店。 |
今回、『ハタチの恋人』で、明石家さんまさんと一緒に新幹線に乗り込んだ長澤まさみさんが、宿泊した大阪のホテルという設定で使われた「ホテル ルートイン東京東陽町」。
このようにドラマの中では、いかにもその現地であるかに見せかけて、実際は東京で撮影をしているというパターンが多く見受けられます。これが、1つ目のドラマの法則。
やはり忙しい出演者のスケジュールやロケの予算など、遠方での撮影は、色々クリアしなければいけない問題も多いのでしょう。
そのひとつが、「ホテルアクシオン館山」。こちらは千葉にあるリゾートホテルですが、『地獄の沙汰もヨメ次第』では沖縄のホテルとして江角マキコさんの宿泊に使われました。
また、2夜連続『点と線』では、原沙知絵さんが宿泊したかどうかビートたけしさんや高橋克典さんが聞き込む伊豆の旅館として、銚子の「嵐の湯 あしか荘」や「割烹旅館 ニュー八潮」が使われています。
少し前のクールだと、『華麗なる一族』では、神戸の万俵邸として静岡の「日本平ホテル」が、また万俵家が毎年お正月を過ごすホテルとして使われた三重「志摩観光ホテル」の館内は、横浜の「HOTEL NEW GRAND」で撮影されていました。
このように、カメラを通すと、近場の施設が遠方のそれらしく映るから天晴れです。だからこそ、旅行に行く際は、注意が必要。そこだと思って出向いたところが、実際は東京だったりしたら目も当てられません。外観のみならず、館内もそこであるかどうかは、予約前に確認するのが無難です。
とは言ってももちろん、速水もこみちさんや倍賞美津子さんや浅田美代子さんが行った『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』の福島「スパリゾートハワイアンズ」や、小泉孝太郎さんが石原さとみさんが行った『花嫁とパパ』の静岡「今井浜東急リゾート」など、実際に現地に赴いて撮影している場合もあります。
大広間を2名用の個室に見せる2つ目の法則。
『ジョシデカ』の仲間由紀恵さんのシーンで使われた「立ち呑み ごひいきに」。 |
2つ目の法則は、2名の撮影でも大広間を利用する傾向があること。
たとえば、『肩越しの恋人』の米倉涼子さんのシーン。派遣先の上司である山口良一さんとふたりの場面でしたが、「砂漠楼」の15名用の個室が使われました。でも、映るのは一角なので、画面上ではまるで2名用の個室のよう。
それは、『山おんな壁おんな』でも見られました。伊東美咲さんの送別会シーンで「銀座 麒麟」の3Fフロアが使われたのですが、こちらもかなり広い空間をカメラアングルで相応の大きさに見せています。
また、『ママが料理を作る理由』の久本雅美さんと佐藤隆太さんのシーンも同じ。撮影は京都「梅むら」の2F広間でしたが、映像上ではまるで2名用のプライベートテーブルのようでした。
このように、撮影は出演者以外のスタッフやカメラなどの機材もたくさん入るので、どうしてもそれだけの広さが必要になります。そのため、ドラマを見て素敵に見えた席は、実は少人数では使用できない場合もままあるのです。なので、出演者と同じ席に座りたい場合は、それが可能かどうか事前に電話で確認するのが望ましいです。
ドラマの備品の実際のお値段に驚く3つ目の法則。
『働きマン』で使われた「カフェ スペーラ」がある外苑イチョウ並木。 |
そして、3つ目の法則は、ドラマの中に出てきた備品のお値段が実際と異なること。
たとえば、『山おんな壁おんな』で、深田恭子さんが「早くお嫁に行けますように」と持ち上げたピンクのオーストリッチのバックは、「エコマコ」の商品。実際は31万円ですが、ドラマの中では15万円の値がついていました。
また、『スワンの馬鹿!』で、上川隆也さんが森口瑤子さんの見立てで、田中美佐子さんために購入した指輪は、「TRECENTI(トレセンテ)」のガーデンシリーズ。実際は9万円ですが、ドラマの中では5万円になっていました。
このように、たいがいドラマの中では、実際の金額より安めに設定されているのが常。なので、購入に行く場合は、いざお店に着いて驚かずに済むよう、こちらも事前の確認を怠りなく。
次ページからは、2007年10月~12月放送のドラマ別レストランのインデックスです!