59歳でフル自己新、自信を持って富士五湖へ
富士山も霧に隠れている早朝にスタート。ゆっくりペースなので笑顔でスタートする選手も多く見受けられる |
ウルトラも2回目、野辺山よりず~っと平坦なコース、走力も付いていると感じられ目標を10時間に設定、それに合わせてペースは5分40秒/km。カメラもケータイも持たず、記録狙いモードでのスタートでした。
「それが、フルマラソンに比べればキロ1分以上遅いペースなのに40kmで失速、60kmでは歩きが入るようになってしまい、まだフルマラソン分の距離が残っていると思うと泣きたくなりましたよ。今回は完走できないんじゃないかな~って。そこからキロ8分、9分です。でも棄権だけはしたくないなと。まだフルマラソンでも棄権したことがないんです。みんなに宣言して出場した手前完走できずに帰るわけにいかないと、あとは意地だけ。
本栖湖のエイドで、食べて飲んでストレッチをして鋭気を養いゴールへ向かいました。疲労してからの励ましは富士山の姿と、他部門(112kmの部、72kmの部)出場選手が合流して次第に増えるランナーの姿、そしてひんぱんにあるエイドのサポート。梅干、パン、バナナ、飴、チョコレート、70kmにはソバもありましたね。富士五湖も野辺山も歴史があるし、サポートはとてもしっかりしてました」
100kmとなると、途中の補給は欠かせません。水だけで走りきれるものではありません。ランナーによって補給したいものもいろいろ。ウルトラマラソンを知り尽くした運営とそうでないのとでは、体調も気分も大きく差が付いてしまうでしょう。谷戸さんの参加した二つの大会は、同じ組織株式会社ランナーズ・ウエルネスの運営ですがとてもよかったとのことです。
疲れを残しての参加が失敗の原因
大会の前後にパーティーを設定している大会も多い。久しぶりに合う同好の士とお互いの健闘を誓い、たたえ合うのも楽しみのひとつ |
今回早々に失速した原因は……。
「実は大会の1週間前に外秩父七峰縦走に参加したんです」
前ページで谷戸さんが年に一度参加しているといったその大会のこと。距離は42kmとも38kmともいわれていますが、累積標高差は2000mを超え、最後に約5km続く急な下りですべての参加者が筋肉痛を発生するというコースです。
「ちょっと100kmをなめてました。七峰で多少の筋肉痛は残ったけどそれほどのダメージだとは感じてなかったんです。でも、芯に疲れが残っていたんでしょうね。疲れは残さずに出場すべきですね。次回は必ずリベンジしますよ」
フルマラソンとは比べ物にならない大きな感動
ゴールに大きな大きな富士山が出迎えてくれるのも富士五湖チャレンジならではの魅力 |
「感動です。ゴールが次第に近づいてきて、そして思わず、やったー!っていう思い。これはフルマラソンとはとても比べ物にならないです」
う~ん、わかります。自分の経験でも、サブスリー達成した時はやったー!と思いました。初めて山岳耐久レースを完走した時のやったー!も同じくらい。でも、初フルマラソン完走時は、はぁ~、やっと着いたくらいでした。ウルトラ完走の自分で自分をほめてやりたい感動指数はやはり倍以上でしょう。