64歳のサブスリーが3人
レース参加者数はおくとして、まず年齢と記録の相関関係を見てみたいと思います。私にとってもこれが最も興味があるデータです。というのも、自分の年齢以上の方が自分より良い記録を出しているのを知れば、「まだまだ自分には記録短縮の余地がある」と励みになるじゃないですか。男子記録 凡例は上から1位、10位、上位から3%に相当する順位、100位。女子記録も同様 |
男子記録 凡例は上から1位、10位、上位から3%に相当する順位、100位。女子記録も同様 |
フルマラソン記録適齢期は26~29歳?
まず男性を見てみましょう。1位の記録を見ると、39歳まではほとんど2時間20分を切っています。その中で2時間10分を切っている9選手は、26~32歳(21歳の1位記録は、サムエル・ワンジル選手です。外国選手を除きました)に集中しています。10位の記録を見ると、2時間20分を切っているのは27~31歳です。女子の場合は、2時間27分以内の選手が8人います。年齢は、名古屋国際で五輪代表を射止めた21歳の中村由梨香選手から、アテネ五輪金メダリストの野口みずき選手の29歳までの間に含まれ、特に23歳から26歳に集中しています。フルマラソンのベスト記録を出すのにもっとも適した年齢は、このあたりと考えられそうです。
サブスリーを狙えるのは?
市民ランナーあこがれのサブスリーはどのくらいの年齢に分布しているのかを、まず男性から見てみます。1位のタイムは、20歳からはじまって64歳(!)まですべてサブスリー。しかも59歳で2時間36分13秒(3分42秒/km)とか、64歳で2時間52分50秒(4分6秒/km)とか、もうびっくりの記録といっていいでしょう。しかも64歳のサブスリーは3人もいます。64歳のサブスリーは「特別な記録」というわけではないのです。こうした方の記録を見ると、人の老化はいったい何歳からはじまるのだろうか、と考えてしまいます。
一方、サブスリーランナーでも100位のランク入りが果たせない厳しい年齢もあります。男子の22歳、26歳~46歳は100位でもサブスリーです。一番速いのは31歳の2時間49分39秒。30歳クラスだった人で次回100位以内を目指すなら、目標記録は2時間50分を切らなければならないわけで、かなり練習しなければ達成は不可能です。
しかし、私の知人を見渡してみると、30歳を過ぎてからダイエット対策でランニングを始めたというような人が、2時間50分を切るまでになった例をいくつも知っています。30歳までにランニングを始めていれば、2時間50分というタイムは、雲の上のタイムというわけではありません。
3時間30分以内だとぐんと増えて14.4%。サブフォーが26.4%で4人に1人、4時間30分以内が45.2%で、完走者の中で半分以内ということになります。
女性サブスリーはエリートランナー
女性の場合はどうでしょうか。1位タイムがサブスリーなのは50歳までのすべての年齢ごとに存在し、それ以降は55歳だけ。女性のサブスリーランナーは全体のわずかに1.1%(男性は4%)ですから、女性にとってサブスリーランナーは、エリートクラスといってもよさそうです。3時間30分以内が6.7%、サブフォーが18.8%。4時間30分以内が35%で3人に1人が4時間30分以内になります。もちろん、いずれも途中棄権者や制限時間をオーバーした未完走者がほかにいるわけなので、全走者の中ではもっと位置が上がります。