上半身、腕振りの筋トレ

腕立て伏せ
しっかりと腕の曲げ伸ばしをして胸郭を開くことが大事
■腕振り(スゥインギングアーム)
足の運びをリードするのは腕振りですから、腕の振りはおろそかにできません。私がサブ3ランナーを追っかけて練習していたとき気が付いたことは、速いランナーはジョグのときでも腕振りがしっかりしていたことでした。それにくらべて遅いランナーは、バランスがくずれていたり腕が延びきっていたり、腕の振りではなく肩を前後にゆすっているというようなフォームでした。

ジョギング程度の走りですと、極端な話、どんな腕振りをしていようと5kmぐらい走れてしまいます。しかし、腕の振りはフォームにも大きく影響します。フォームが悪ければ効率的な走りができませんから、距離が長くなるほど腕振りはおろそかにできないというわけです。

腕振りに使う筋肉はどの筋肉でしょう? 手を反対側の方に当てて腕を振ってみてください。腕振り運動に伴って動く、背中から胸、上腕の筋肉が腕振りに関係する筋肉です。三角筋や大胸筋、上腕二頭筋などが主な筋肉です。
この代表的な筋トレ方法は、腕立て伏せ(プッシュアップ)です。両手をついて腕の肘を屈伸させます。単純な運動ですが、幾つもの効果があります。
ひとつはもちろん肩の周囲筋が鍛えられて、腕の振りが強くなるということですが、この他にもランナーにとってメリットがあります。

その一つが、胸郭を広げる点です。胸郭が広がれば肺も拡張しやすくなりますから、吸気量の増加が期待できます。これによって呼吸が楽になります。
次に、胸郭が広がると肩の位置が後にずれます。腕振りの支点が後にずれることになるので、腕振りが横振りから進行方向への振りに近づきます。次に腕立て伏せの時は、背中を真っ直ぐに伸ばしたままで腕の屈伸をするわけですが、これによって背筋の運動にもなります。

両手の付き方ですが、原則は肩幅程度とはいうものの、胸郭を広げるためには腕をなるべく広げてついたほうがいいという人と、いやその逆でなるべく狭くついたほうがいいという人がいるようです。私は肩幅でいいと思っているのですが。それよりも、なるべく低く地面すれすれまで体躯を下げることが大事です。下げれば下げるほど胸郭が広がります。ただし腕や肩にかかる負荷が増えます。もしも耐えきれなければ、傾斜地を使い、上半身を高い位置にして負荷を減らすようにしてください。負荷に耐えきれないという理由で肘を少ししか曲げない腕立て伏せより余程効果的です。

■懸垂(チンニング)
近くに学校や公園がある方は、鉄棒を利用して懸垂ができます。体が上がらなくても、上げようとするだけで上腕二頭筋にはよい運動になります。

■ウエイトを使った腕振り
1~2kg程度のダンベルやヘビーハンズを用いた肩周りの筋トレ体操で、筋肉の強さと柔らかさを共に高め、可動域を広げます。ウエイトを手から離したり、誰かに当たると危険ですから、腕を振り回しても大丈夫な広さ、周囲にガラスなどがない環境、人の接近などに気を付けて実行してください。テレビを見たり音楽を聴きながら気楽にやりましょう。肩こりに悩む人には絶好の肩こり解消法になります。

原則として基本姿勢は、肩幅に脚を開き、わずかに膝を曲げ、かつわずかに背筋を伸ばしたまま前傾します。

スイングダンベルを持ってのランニングを想定したその場の腕振り。肩を振っていないか、横振りになっていないか、猫背になっていないかなどフォームをチェックしつつゆっくり、次第に速く行います。
プレス肩の位置から左右交互に垂直に持ち上げます。
プルアップ下げ持った状態から肘を曲げ伸ばしし、胸の位置まで引き上げます
フロントレイズ下げ持った状態から、腕を伸ばしたまま前方水平に持ち上げます
サイドレイズ下げ持った状態から腕を伸ばしたまま、横方水平に持ち上げます。
フレンチプレス一つのダンベルを両手で持ち、前面から背面へ、また全面へ、剣道の素振りのように繰り返します。


ダンベルを用いた運動は、むずかしく考えずストレッチングやラジオ体操の動きと組み合わせて、気持ちの良いように体を動かせばOKです。筋トレでもあり、筋肉をもみほぐして可動域を広げ、疲労回復のストレッチングにもなると考えてください。