ジョギング・マラソン/ジョギング・マラソンの走り方、トレーニング

ジョギング・マラソンを始める前に(3ページ目)

走る意欲がわいてきましたか! でも走り出す前にちょっと次の記事を頭に置いてください。夏は、ランニングには気候が良い季節とはいえません。アクシデントを避けるために、絶対守って欲しいことがあるんです。

谷中 博史

執筆者:谷中 博史

ジョギング・マラソンガイド

ありがちな事故とそれを防ぐには?

ストロボ撮影したシューズ通常撮影したシューズ
(上)はストロボ撮影。反射シールが白く光っている。(下)はストロボを当てずに撮影。左のシューズは、ジョギング用、右はトレーニング用。一般にレース用に近づくほど反射シールなど、本来の走りに必要ないモノは略されている
外に出て走り出せば、そこは危険地帯。歩くのとは、スピードが違います。他の歩行者もドライバーも、ランナーがいることを前提に行動していません。もっぱらランナーは自衛策で対処します。
  • 交通事故
    相手は車です。ぶつかれば大きなけがにつながります。走る経験のないドライバーは、ランナーのスピードに対する感覚がないのではないかと思えることがよくあります。

    例えば、左側の路地や駐車場から出ようとしている車のドライバーが、一度こちらを見たとします。私は、ドライバーは自分を確認したから停車しているなと思って前進します。ところがドライバーは反対方向を見て車が来ないのを確認すると、アクセルを踏むのです。私はすでにその車と接触するところまで来ているというわけです。よくある接触事故のケースなので、要注意です。

  • 道路のどちら側を走るのが良い?
    これも問題です。後で述べるように決まった側ばかりを走るのは足に良くありません。どちらを走っても安全な道があればいいのですが、練習コースに恵まれない場合もあるでしょう。ガイドの場合は、車が通る道路では左側を走るようにしています。これは、ドライバーが早くから視認してくれるからです。右側だと車と対向になります。ぶつかるショックが大きくなり、右へカーブする個所では出会い頭になるおそれもあります。

    右側を走るにせよ左側を走るにせよ、ランナーは事故を予防するために、ロード練習では目立つ色のウエアを着用するようにしてください。シューズだと、ヒールカップの後に反射テープがついているものがあります。ウインドブレーカーも、背中や胸の部分に反射テープがついているものが多いです。しかし、Tシャツには反射テープがついている製品はほとんどありません。夜はなるべく白い色のシャツにし、反射テープをピンで止めるなどの工夫をしてください。

    ガイドは、警察の運転免許証更新時に警察で見つけた反射ベルトをたすきがけにして走ったりしています。警察署に行かなくても売っているところはあるでしょう。作業用品を売る店などが狙い目ですね。

  • 転倒
    ガイドもよく転びます。手を付くので手のひらに擦過傷、受身をしたときに腰骨などに打撲傷などをよくやります。転倒の最大の原因は、疲労によってわずかに足が上がらなくなり、道路上の突起につま先をひっかける場合がほとんどです。したがって、疲労がたまるゴール間近が危ないのです。よそ見をしていて、駐車場の分離帯の突起につま先をひっかけて転倒したこともありました。ロードに出ると、路面にはなにがあるかわかりません。ゴールするまで気を抜かないようにしてください。手袋もなるべくならしていたほうがいいでしょう。


  • 犬をリードにつながず散歩していたり、ランナー近づいているにもかかわらずリードを伸ばしっぱなしという掟知らずの愛犬家が多いのは困りもの。練習コースと時間がほぼ決まってくると、出会う人も決まってきます。毎回避けているわけにもいかないので、犬が吠えかかるようなら飼い主に犬を曳いていてもらうように頼みます。飼い主と挨拶を交わすようにすると、犬も吠えつかなくなってきますので、積極的に飼い主には挨拶するようにします。

  • 痴漢
    以前、ニューヨークセントラルパークでジョガーが襲われる殺人事件が起きたことがありました。日本ではそのようなニュースは聞いていませんが、夜間、人気のない暗い道路を走るときはそれ相応の覚悟と用意をして走るべきでしょう。交通事故防止のためにも、明るい場所を選びましょう。防犯ベルはそんなに重くないので、持って走るといいと思います。怪しいと思ったら遠回りしてでも近づかないことです。
ちなみに、私がこれまでにやった事故、故障を列挙します。
  • 膝関節炎  ウォーミングアップ不足。
  • 半月板損傷  2日連続フルマラソン出場が原因らしい。走り過ぎ。
  • 小指の骨折  林間を走っていて切り株にぶつける。足もと不注意。
  • 肉離れ  フルマラソンで30km過ぎに走りを切り替えた途端。
  • 座骨神経痛  疲労の蓄積。
  • マメ  ワセリンを塗るなどの対策不足。
  • 下痢  汗でお腹が冷えて。レース前に脂っこいものをうっかり食べてしまって。
  • 疲労による転倒  これまで4回ほど。いずれも25kmを過ぎてから。
  • 脇見による転倒  駐車場に埋め込まれた分離標識の出っ張りにつまずく。
  • 軽い日射病  レース中に体に水をかけるなどの対策不足とやや体調不良だった。
幸いにしていずれも再び走れるようになりましたが、トータルすればブランクは3年分くらいになります。ちょっとムダな時間を使ってしまいました。

いずれも、ちゃんとウォーミングアップやストレッチングをして、休憩も入れるようにすれば防げたアクシデントがほとんどです。ランニングは、努力と工夫が結果に出ると前回書きましたが、手を抜くと悪い結果も出てしまいます。これから長くジョギング・マラソンを楽しむためにも安全の基本は手を抜かないようにお願いします。

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