関節痛などのアクシデントにも要注意!

膝関節イラスト
ケアを怠れば寿命が短くなる骨。ウォーミングアップや関節周りの筋肉強化はおろそかにできない
整形外科的なアクシデントの原因はたいてい本人にあります。しかし、なってみないとわからないことが多いのが、いつになっても患者がなくならない最大の理由だろうと思います。

障害を起こすタイプは大きく二つに分けられるでしょう。一つは、不注意(ストレッチングやウォーミングアップの不足も含め)で、もう一つはレベル以上のトレーニングや走り過ぎです。
  • 変形性膝関節症
    膝関節は、関節包が膝関節をくるんだ状態にあります。この関節包の中に滑液というグリースのような役割をする液が出て、骨と骨との摩擦を軽減することによって関節は滑らかに動かせるわけです。しかし、体が温まっていなかったり、気温が低いと滑液があまり出ません。その状態で関節に負担をかけると、ザラザラの骨と骨が擦れあって炎症を起こします。障害の程度、年齢によって治癒に要する時間はかなりばらつきます。ウォーミングアップを十分にやりましょう。

  • 半月板損傷
    膝関節には、クッション作用を果たす軟骨の半月板が骨の間に挟まっています。しかし、これに圧力をかけたままねじるように力を加えると亀裂が生じます。半月板は一部、または全摘手術(ほとんど内視鏡手術)をします。実はガイドも半月板損傷手術をしていますが、術後も以前のように走れるようになりました。しかし、無理は禁物。コンタクトスポーツや急に走る方向を変えるような動作で発生しやすい障害です。

  • 座骨神経痛
    座骨神経痛の原因の80%が、椎間板ヘルニアにあるといいます。痛い個所はお尻から太股の後側ですが、原因は違う場所。腹筋、背筋の力以上に強い運動を続けると、腰椎を正常に保ちきれなくなってはみ出した椎間円盤が神経を圧迫し、痛みを起こすというパターンが多いようです。疲労が溜まっているときは要注意。予防は、腹筋、背筋の強化、腰を伸ばすストレッチング、腰を冷やさないこと、となります。

  • 腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)
    腸脛靭帯(膝の外側に位置する腸骨から脛骨まで長くつながっている靱帯)が膝のあたりで大腿骨の出っ張りとすれて炎症を起こすというもの。主たる原因は走り過ぎとされます。高橋尚子選手がこれで泣きました。市民ランナーレベルではめったにない故障。

  • シンスプリント
    一般に、脛骨過労性骨膜炎と呼ばれる症状を指します。脛骨(スネの骨)に沿った痛みが生じます。足のショック吸収能力が充分ではない状態で、堅い路面でのスピード練習、長時間の走行などを続けると発症しやすくなります。脛骨につながる筋肉痛が生じるようなら要注意。ストレッチングやカーフレイズなどの筋トレで予防します。

  • アキレス腱炎
    ウォーミングアップ不足の状態で、いきなりクラウチングスタートなんてやってしまうと起きる可能性高し。市民ランナーレベルでは、アキレス腱を伸ばすストレッチングとウォーミングアップを忘れなければ、まずならないはず。

  • 足底腱膜炎
    クッションの少ないショーズで硬い路面を走っていると、発症の恐れがあります。初心者の場合、足のショック吸収能力が低いので、クッションが良いシューズを履くとか、路面の柔らかい走路で練習することです。速く走れるようになっても、路面の硬い道路でのスピード練習を避けること。インターバル練習などは、トラックでやるようにしましょう。

  • 肉離れ・靭帯断裂
    発症の原因はさまざまにありますが、起きやすい状態は体の水分(ミネラル分も含めて)が減っている時と、突然力を加えた時。ラストスパートで走りを切り替えたり、まだ元気なうちに登り坂にさしかかってグッとつま先に力を込めて蹴る、というような動作の時が危険です。事前のストレッチングとウォーミングアップで危険はぐっと下がります。

  • マメ
    足に靴が合っていないとできやすいですが、総じて初心者のほうができるようです。原因として、一般に初心者のほうが太っていて、足が大きい。加えて、足底の皮が柔らかなこと、足底のクッション能力が悪いなどから、路面との摩擦熱が高くなり発生しやすいと考えられます。予防法としては、摩擦を減らすために、マメ予防のクリームを塗る。ワセリンを塗る。できそうな場所にテープを貼っておく。5本指靴下を履くなどです。

    足の温度上昇を減らすためには、通気性の良いシューズ(ソールに通気坑が開いているタイプもある)を履く、日陰を走る(体は日に当たっても、足はガードレールや電柱の影を踏んで走る)、足が熱を持ってきたなと思ったら、靴と靴下を脱いで冷ます、レース中であれば水をかけて冷やすなどです。