初めての方にもわかりやすいように花火の撮影に必要なポイントを大きく3つだけに絞ってみました。
「デジカメ超ビギナーシリーズ」の7回目は、初めての花火撮影をするときのポイントをご紹介します。
花火撮影はポイントを知れば難しくない
打ち上げ花火の写真。一見難しそうに見える花火の撮影もポイントを押さえれば意外に簡単 |
花火の撮影は、写真を撮るときの二つの壁をクリアする必要があります。それは暗いところでの撮影と動く被写体の撮影です。このどちらもポイントを知っていれば撮影をすることは難しくありません。
しかし、撮影方法を知らないばかりに失敗することが多く、花火の撮影は難しいと感じてしまう方が多いみたいです。なかなかきれいに写らないからとフラッシュを使ってみたり、いろんな撮影モードを試してみたりと試行錯誤をしているうちに花火大会も終わってしまった、そんな苦い経験をお持ちの方もいるかもしれません。
でも大丈夫です。まだデジカメを使い始めて間もない方でもきちんと順序立てて撮り方を理解して準備をして挑めば見た目通りのきれいな花火を写真に撮ることができるはずです。
コンデジ(コンパクトデジカメ )でもデジイチ(デジタイル一眼レフカメラ)でも花火は撮ることができます。カメラの操作方法が異なるためそれぞれ撮影スタイルは多少異なりますが、ここでは主にコンデジを使っての撮影方法をレクチャーしていきます。
花火の撮影は奥が深く、いろんなテクニックはあるのですが、ここでは大きく3つに絞りました。この3つのポイントをこれからご紹介していきましょう。
ポイント1 撮影モードを設定し直す
コンデジの花火撮影モードの解説。花火撮影モードがあれば設定します |
花火撮影モードがない場合は、夜景撮影モードを選びます |
夜景モードでもこのように手持ち花火を撮影することができます |
ビギナーの方のほとんどは撮影をするときには、撮影モードをオートに設定してカメラ任せにしていると思います。状況によりオートモードでも花火をきれいに撮れる場合もありますが、思ったように写らないことのほうが多いかもしれません。
まず、花火を撮るときには、撮影モードを花火がきれいに撮れるものに設定し直すことがひとつ目のポイントです。
では、どの撮影モードにしたらいいのか。お手持ちのカメラにある撮影モードの種類をご覧になってください。その中に「花火撮影モード」というのがあれば、これを選びます。
花火撮影モードは、まさに花火を撮るために使うモードなのでこれを選び設定してください。
カメラによっては、花火撮影モードがない機種のものもあります。その場合は、「夜景撮影モード」を選び設定してみてください。
どちらも暗いところで光るものを撮れるように露出値を設定するためのモードなので、割と近い撮影結果が得られます。
デジイチでもエントリーモデルでは、撮影モードが搭載されている機種がほとんどなので、夜景撮影モードを選んでみてください。
ポイント2 カメラを固定して撮影する
花火を撮るときは三脚を使って撮影するのが基本 |
三脚がない場合でもクッション代わりになるものに押し当てて固定するなど応用的な方法でも撮影は可能 |
デジイチで撮影する場合は、レリーズシャッターも忘れずに |
花火撮影モードや夜景モードの特徴は、シャッターが長い時間開くことです。その時間は写す被写体の明るさによって自動的に変化します。明るいものほど時間が短く、暗ければ長くなります。
ただ、この短い場合でもカメラを手で支えて撮影するとぶれてしまいます。つまり手ぶれ写真になるということです。長い時間シャッターを開いて撮影することを長時間露光撮影と言います。長時間露光撮影では、必ずカメラを固定する必要があります。
つまり、花火を撮るときの二つ目ポイントは、カメラを固定して撮影するということです。
カメラを固定して撮影する方法の基本は、三脚を使うことです。三脚もテーブルに置ける小型のものから背丈より高くなるものまで様々あります。撮影する場所に応じたものを選んで使ってください。
三脚がない場合は、カメラをどこかに固定しながら撮影することで手ぶれを軽減することができます。
「100円グッズが便利な三脚に早変わり」の記事で紹介しているようなクッションの代わりになるものを使うのもいいですし、土台となるところに置いて撮影するという方法もあります。絶対に三脚がないと花火は撮れないわけではありませんが、ぶれのないシャープな画像を撮影したいのであれば、カメラは固定して撮影してみてください。
デジイチで撮影する場合は、レリーズシャッターを使うのが便利です。
カメラが固定できたら、ズームレンズで画面を整えます。撮りたいようにズームレンズでアップにするか広い範囲を入れて撮るのか自分の思うように構図を作ります。
ここまで出来たら後は、花火が打ち上がるのを待つのみです。しかし、次のポイントが最も重要になります。
ポイント3 大事なのはシャッターを押すタイミング
シャッターのタイミングが遅れて、花火の尻尾の部分しか写らなかった失敗例 |
花火が開くと同時にシャッターを押せば満開の状態の花火が写せます |
花火を撮るときに大事なのは、シャッターを押すタイミングです。タイミングが遅いと尻切れトンボのような花火しか写りません。
先に解説したように花火を撮るときは長時間露光撮影になります。花火撮影モードや夜景モードでは、どのくらいの時間シャッターが開いているかはカメラ任せですが、シャッターを開くタイミングはコントロールできます。
このシャッターを開くタイミングがとても大事になります。打ち上げ花火の場合、花火が開く瞬間と同時にシャッターも開くと花火が芯からきれいに写ります。
タイミングが遅れてシャッターを押すと、花火の光線が途中から始まり、中途半端な花火になってしまいます。
花火が打ち上がると同時にその動きをじっと眺めて、花火が開く瞬間にシャッター押すことがポイントです。
ピント合わせはオートモードで行う場合、先に打ち上がっている花火にピントを合わせてシャッターを半押し状態でスタンバイしておくといいでしょう。
花火撮影は、動きがあるものを追うのでスポーツ撮影に似たところがあります。花火の動きを追いながら撮影するようにするとコツがつかめると思います。
さて、初めての花火撮影上手くいきそうですか?花火大会では何発もの花火が打ち上がります。最初は練習のつもりで撮ってみて、徐々にポイントをつかむようにするといいでしょう。
デジイチを使い、レベルアップした撮影にチャレンジするのであれば、「今年はトビっきりきれいに花火を撮る!」をご参考にしてください。
ぜひ、今年の花火大会では会心の一枚をどうぞ!
これまでのデジカメ超ビギナーシリーズの記事です。こちらもどうぞ参考に!
1.デジイチはコンデジと比べてここが違う
2.初めてのデジイチ選びの極意五か条
3.初めてでもバッチリ撮れるモードの選び方
4.ピント合わせで写真がうまくなる簡単テク
5.手ぶれを起こさないで撮影する方法
6.クローズアップ撮影はお花のマークで
写真・テキスト 瀬川陣市
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