テクノポップ/海外のテクノポップ

t.A.T.u.~イワンへの提言(3ページ目)

ロシア語盤の日本でのリリース記念・・・タトゥーの楽曲とPVが一目で分かるタトゥー曲・早分かり表を公開。これからタトゥーは大丈夫なのか? イワン・シャポハロフへ提言します。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

ガロヤン君を復帰させよう!

タトゥーの全世界ブレイクに関して、イワンのコンセプト・メイキング能力やマーケティング手法に負うところは大きいです。また、トレヴァー・ホーンの手腕の功績と見る記事(特にメジャーな媒体で)も見受けます。『t.A.T.u.サウンドの謎』でも書いたように、確かにトレヴァー・ホーン知名度と彼の英語版として仕上げた仕事は貢献はしたでしょうが、やはりその本質は元々のロシア盤のオリジナル楽曲の作曲能力にあると僕は考えます。

表を見てみると、アルバムの中で「How Soon Is Now?」を除いてシングルとなってリリースされているのは、全て当時17歳ぐらいの学生だったガロヤン君(Sergey Galoyan)の作曲した曲です。「with co-auther(共作者)」とクレジットされているケースもありますが、彼がメイン・コンポーザーであることはほぼ間違えないでしょう。しかしながら、「Clowns」以降彼の作品はありません。「Clowns」「Simple Moves」(作者不明)、ユーロヴィジョン参加曲「Ne Ver, Ne Bojsia」は、及第点は上げられるけど、「All The Things She Said」や「Not Gonna Get Us」と同レベルの輝きはありません。タトゥーの曲はわけわかんないロシア語で聴いても耳に残るですが、その耳残り感がこの2曲には特にあります。もろテクノポップの「Robot」とロシアン・ラップの「Stars」を作曲したヴォイチンスキー(A. Voitinskiy)もいい仕事をしていますが、彼もこのところ起用されていない。というか、デビュー・アルバムを作ったチームで未だに起用されているのは、作詞のポリエンコ(V. Polienko)ぐらいです。

どのような理由で、ガロヤン君が起用されないのか分かりませんが、彼を使わないのはこれからのタトゥーにとってのアキレス腱になりかねません。もちろん、タトゥーほど有名になると大物作曲家に曲を作らせる事も容易かもしれませんが、ガロヤン君やヴォイチンスキーが生み出した不思議なロシアン・メロディーは、タトゥーの本質的な魅力です。ジュリアがインタヴューで「ガロヤン、それ誰?」とか言い、冷たくあしらわれているかわいそうなガロヤン君です。たぶん、ガロヤン君の楽曲を未だに使い回ししているイワンは気が付いていると思うんですがね・・・ガロヤン君の才能。それとも、ロシアには無名の才能が溢れていて、まだまだイワンには隠し玉があるのでしょうか? セカンド・アルバムの製作中との噂も聞きますが、もう一度、ガロヤン君の起用を考えてください。

【関連リンク】
『t.A.T.u.∽推定少女』
『t.A.T.u.∽ジュエミリア』
『t.A.T.u.サウンドの謎』
『警告!t.A.T.u.来襲』
『t.A.T.u.~レズビアン・シック』
『Taty~モスクワ大作戦!!』
『Taty~ロシアより愛をこめて』
ロシアのt.A.T.u.(タトゥー)リンク集
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