アンコールへの道
アンコールトムの南大門。左は乳海攪拌で大蛇ヴァースキを引っ張る神々の像
アンコール観光の起点はカンボジアのシュムリアップ。日本から直行便はないので、ベトナムのハノイやホーチミン、タイのバンコク、中国の上海などを経由するのが一般的だ。格安航空券で5万円前後から、ツアーは4泊5日で7万円前後から。
プノンペン-シェムリアップ間は飛行機・バス・船、いずれでも行けるほか、陸路であればタイのバンコクやベトナムのホーチミン、ラオスのパクセーなどから訪ねることもできる。
■周辺の世界遺産
ナーガが島を取り囲む、ニャック・ポアン。ここで治水や雨を祈ったという
タイにストップオーバーするなら、バンコクから日帰りで行ける世界遺産「古都アユタヤ」や、北部の「古代都市スコータイと周辺の古代都市群」も見てみたい。クメールの影響を受けた遺跡だし、時代のつながりがわかって興味深く見学できるだろう。
余裕がある人はラオスのパクセに抜けてもおもしろい。バスで12時間前後だが(途中バスやミニバンの乗り換えあり)、パクセからはラオスの世界遺産「チャムパーサック県の文化的景観にあるワット・プーと関連古代遺産群」が近い。クメールの源流といえる遺跡なので、つながりは濃厚だ。
アンコールのベストシーズン
ロリュオス遺跡群のバコン。ピラミッド型の美しいヒンドゥー遺跡で、右の寺院は後年建てられた仏教寺院。
雨季は5~11月で、最盛期が8~10月。一日に何度かスコールがくるような形で、しとしと雨が降り続くことはあまりない。とはいえ、足場が悪いとベンメリアなど近郊の遺跡に行きづらくなるのはたしかだ。
できれば雨季は避けたいが、たとえば豊かに水をたたえたトンレサップ湖から突き出す高床式の家並みは息を飲むほど美しいし、スコールは雲の下にカーテンのように見える雨を引き連れて迫ってくる。こんな光景を見るのも楽しい経験にはなるだろう。
世界遺産基本データ&リンク
背後に日の出を迎えたアンコールワット
こちらも世界遺産暫定リスト記載の「コーケー遺跡群」の7段ピラミッド、プラサット・トム
登録名称:アンコール
Angkor
国名:カンボジア王国
登録年と登録基準:1992年、文化遺産(i)(ii)(iii)(iv)
アンコールは内戦と浸食による崩壊の危機から1992年に危機遺産リストに登録されたが、日本をはじめ世界中の援助とカンボジア国内の保護活動の高まりにより、2004年にリストから削除された。いまなお地雷の撤去や修復の努力は継続されており、新たな遺跡の発掘も行われている。
【関連記事&サイト】
- プレア・ヴィヒア寺院/カンボジア
- ワット・プー/ラオス(クメールの世界遺産)
- ボロブドゥール寺院遺跡群/インドネシア(世界三大仏教遺跡)
- 未来の世界遺産2 バガン(世界三大仏教遺跡)
- 古都アユタヤ/タイ(同時代の文化)
- ルアン・パバンの町/ラオス(同時代の文化)
- カンボジア政府観光局