では、次に愛用のペンを見せてください。
用途によって筆記具も使い分けている |
中村さん:
取材をはじめ日頃もっともよく使う多機能ペン「ゼブラ サラサ」 |
ガイド:
色はどのように使い分けていますか?
中村さん:
基本は黒で書きますが、黒だと後で見返した時にわかりづらいので、重要度に応じて使い分けています。ポイントとなる重要なものは赤。赤程重要でないものは青です。仕事柄、校正をすることも多いので、多色ボールペンは手放せません。赤は訂正、青は「文字を大きく」などの指示出しに使います。
また、多色ボールペンには緑インクが入っていることがありますが、私の場合、緑は区別する色としては使っていません。黒インクがなくなったら緑を黒代わりにするといった使い方です。
ステッドラーの0.3mmシャープペンは紙面ラフの細かなところを書き込むのに最適だとか。 |
ステッドラーのシャープペンがありますが、これはどんなときに使っているのですか?
中村さん:
これは細めの0.3mmの芯が入っています。私はこれで、紙面のラフを書いています。結構細かな部分も書きこむ必要がありますので、この0.3mm という細さがピッタリなんです。
このラミー2000の4色ボールペンは、私にとっての勝負ペンです。取材相手がファッションやデザイン関係の方々の時は持っていくようにしています。そんなにしょっちゅう出番はありませんが、このデザインがとても気に入っています。
中村さんにとっての勝負ペン「ラミー2000 4色ボールペン」 |
そしてこのオートの水性ボールペンは、中のインクをブルーブラックにして万年筆代わりに使っています。例えば、取材に協力していただいた方に掲載誌を送るときの手紙などです。オートとのつきあいは結構長く、子供時代にまでさかのぼります。そもそも、父が愛用していまして、小さい頃からいつもそばにありました。私自身も小学生ぐらいから使うようになり、今でもお気に入りのブランドの一つです。なにより1,000円ぐらいというコストパフォーマンスもよく、水性ボールペンの滑らかな書き味もとっても気に入っています。
使い込まれた証がそこかしこに表れているオートの水性ボールペン |
ガイド:
最後に、これまで仕事をされていた中で文具に助けられたということはありますか?
パソコン全盛の今にあっても、文具がなければ中村さんの仕事は成り立たないという。 |
日々仕事で助けられています(笑)。パソコン中心になったとは言え、文具がないと私たちの仕事は成り立ちません。取材の時にパソコンを開いてメモをとるという人もいます。しかし、私の場合それだとどうしても相手の目を見てお話をお聞きするというのができなくなってしまいます。やはり目と目を合わせて会話しませんと、いいお話は聞き出せませんからね。私にはやはりペンと紙がいいようです。
それから、文具に助けられたということで言えば、初対面の人と話するときに、その人が文具にこだわっている人であれば、文具の話ですぐに打ち解けられて話がスムーズに進むといったことがあります。文具の本来の使い方ではありませんけどね。
ガイド:
本日はありがとうございました。
取材後記
今回の中村さんの文具活用術で特に印象に残ったのは、ノートをいくつも使いながらも情報を分散させていないということです。一見情報を分散させてると思いきや、その実、内容によってしっかりと書くことが分けられていて、テーマごとに情報を管理しているということを強く感じました。
私は何でもかんでも一冊のノートにまとめていますが、確かに、書いただけで、それでハイおしまいとなることが多くあります。書いて残すということはそれをしっかりと活かして初めて意味あることだということを今回の取材を通じてしみじみ実感しました。
<関連リンク>
「THE21」サイト
中村さんも愛用している手帳「アクションプランナー」
<その他 文具活用術インタビュー>
「趣味の文具箱」編集長の愛用文具一挙公開
銀座・伊東屋 万年筆売り場の方の愛用文具
隣の文具活用術 読売新聞記者編