「最も革らしい革」と言える銀付き革!

銀付き革
最も革らしい革と言えば、何時の世も銀面を活かした銀付き革に止めを刺すでしょう。厳しい選別を見事にくぐりぬけて来た、原皮の持ち味を最大限に活かせる革ゆえ、「銀」ではなく「吟」の当て字も暫し用いられます。


革の加工の種類には本当に様々なものがあるのですが、やはり最初にご紹介したいのは「銀付き革」と呼ばれるものでしょう。牛だけでなく鞣す前の動物の皮は外側から順に体毛の付いた「表皮」、タンパク質(コラーゲン)が主体の「真皮層」、肉と結合する「皮下組織」の3層構造を有します。鞣して「革」として利用されるのは真中の「真皮層」で、これは更に外側から乳頭層と網様層に分けられ、前者の上部を「銀面」後者の下部を「床面」と呼ぶのですが、銀付き革とはこの「銀面」をそのまま活かして表面とした革のことです。

銀面は革を構成する部位の中では最も組織が細かく、丈夫で柔軟性も高くなるので、それを表面として素直に活用できるこの革は、鞣しの種類を問わず原皮の風合いや持ち味を一番堪能でき、愛着も湧きやすい革の中の革と確かに申せるでしょう。また、そのまま活かすと言うことは、もともとの原皮に付いていたシワ模様や凸凹、時には傷や虫刺されの痕跡もそのままダイレクトに表面に出てしまうということを意味します。逆に申せば銀付き革になれるのは、一般的には銀面にクセやダメージの少ない上質な原皮のみ、つまり革の中では選りすぐられたエリートな訳で、だからでしょうか、日本酒よろしく当て字で「吟面」とか「吟付き革」などと記される場合もあるほどです。

靴に用いる銀付き革には様々なものがありますが、その代表例は「ボックスカーフ(Box Calf)」と呼ばれるものでしょう。これは大まかには、クロム鞣しをごく短時間施しタンパク質系の仕上げ剤で表面を美しく処理したソフトなカーフ若しくはキップの革を指すのですが、実は国や時代それに用途で定義が色々錯綜しているのが現状です。前回にも少し触れましたし、折角だから次のページでまとめてみましょうか!


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