10年固定の金利は小幅ながら上昇
10年固定は、先月に比べると0.05~0.1%程度上昇傾向でした。繰上返済を積極的に行っていこうと考えている場合などは、金利が固定されている10年間でかなり元金を減らすこともでき、金利上昇リスクを抑えることも可能となるため、魅力的な金利タイプの一つです。2%程度の金利というのは、変動金利型を考えている人にとっても、検討の余地はある金利水準ではないでしょうか?また、長期固定を検討していたが、金利が高いという人にとっても選択肢に上がるため、多くの人が活用できる金利タイプです。
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主な金融機関の今月の10年固定の金利を見てみましょう。
<主な金融機関の10年固定の金利>
都銀等では、全期間?1.0%、?1.2 %というような全期間優遇タイプのものもありますが、ここでは、当初の優遇幅が大きく金利が低いものを中心に例を挙げています。 |
固定金利選択型の住宅ローンの場合、当初の金利はもちろんですが、当初固定期間終了後、店頭金利から何%引き下げてくれるか、という点もとても重要な要件となります。この引下げ幅が大きいか、小さいかは、当初固定金利期間終了後の残りの返済期間が長いほど影響が大きくなります。固定金利選択型の住宅ローンを比較する際は、この2つの金利(当初金利と将来の引下げ幅)の両方を必ずチェックしましょう。
また、長期固定金利の場合と同様、保証料や事務手数料も考慮する必要があります。これらを加えた総支払額ではどのようになるでしょうか。
<借入額2,000万円、20 年返済の総支払額>
11年目以降の店頭金利が4%だった場合。また保証料が必要な場合は、一律30万円として計算しています。 |
今月も金利面では、三菱UFJ信託銀行が1.90%、住信SBIネット銀行が1.95%と低くなっています。ついで、新生銀行が2.15%、みずほ信託銀行が2.25%、三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行が2.3%となっています。
さて、当初10年間の金利は高くても、11年目以降の優遇幅が大きいものの方が、総支払額では有利になることがあります。今月の金利で比較すると、このケース(2,000万円借入れ、20年返済)での総支払額は、金利が2.15%の新生銀行が有利という結果が出ました。金利の低い三菱UFJ信託銀行は、11年目以降の金利引下げが0.2%であること、住信SBIネット銀行は、当初の事務手数料が高いことなどから総支払額では、新生銀行の方が低くなっています。
一方、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、中央三井信託銀行は、11年目以降がマイナス1%と引き下げ幅が大きくなっています。そのため、金利のわりには、総支払額で比較すると金利で見ているときよりも差がないことがわかります。
このように、必ずしも金利順とはならず、特に10年固定の比較は、とても複雑で難しくなっています。ご自身の返済期間によっては、違う結果が出ることもありますので、シミュレーションしてみてください。
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