北京/北京基本情報

北京の治安(2ページ目)

北京といえば「共産党政府のお膝元」という、近寄りがたいイメージがありますよね。でも、実際に北京を訪れてみると、町の雰囲気は日本と同じ平和なものです。だからといって、無防備すぎるのも危険です。ここでは、北京の治安に関する様々な情報を紹介していきます。

鈴木 晶子

執筆者:鈴木 晶子

中国ガイド

高騰する北京の不動産
町の中心部に出現する合租房(雑居部屋)

中国の貧困層

マイカー族増加に象徴される経済発展の影に存在する貧困層

ここ数年、北京では低所得層のための住居空間「合租房(雑居部屋)」が激増するという現象が起きています。もともと北京の胡同(伝統的な路地)にある家屋は細かく分割され、多くの家族が住んでいたので、雑居住宅自体はめずらしくないのですが、近年出現した「合租房」はそれとは少し違うもの。

合租房は日本のルームシェアとよく似たもので、普通のマンションやアパートの中に存在します。合租房の中には日本のルームシェアと同じように、部屋ごとに違った住人が住んでいるというケースもありますが、それとは別に、一つの部屋に数人が寝起きしている雑居部屋があるのです。それが、立地条件が良く、ある程度レベルの高いマンションに出現し、数を増やしているのです。

これは近年、北京の不動産が高騰し、家賃が大幅に値上がりしたことにも起因。2016年末の発表では、北京の平均家賃価格は69.27元/平米/月とのことで、単身者がよく利用する1LDKの70平米というタイプだと、4848.9元(8万円弱)になります。庶民の一ヶ月分の給与に値する家賃を払えるのは限られた人たちだけ。しかも、そういう人たちの多くは“持ち家”です。そんなことから、大家は開き部屋を持て余し、考え出したのが合租房なのです。

ガイドは実際に、2LDK(3部屋)に15人以上が寝起きしているのを見たことがあります。そのマンションの家賃は約1万元なのですが、15人から1000元ずつ取れば月1万5千元、一世帯に貸すよりずっと割高です。しかし、その部屋は一種異様な雰囲気でした。常に開け放れたドアからは中国の公衆便所のような異臭が漂っていましたし、近所の人の話では、喧嘩の声や物を投げる音がしょっちゅう聞こえてくるとのこと……。

北京の不動産事情は、旅行者のみなさんには直接関係のないことですが、このような社会現象が起きているということは知っていても損はないと思います。

エリアで考える北京の治安
北京で気をつけるべき場所はどこ?

ガイドは20年以上、北京で生活をしていますが「危ないから行きたくない……」と感じる場所はありません。ただ、北京にも気をつけたほうがいい要注意スポットはいくつか存在します。こちらの記事では具体的な場所を挙げながら、危険への対応法についても詳しく紹介していきます。

続きを読む>>>北京の要注意エリア・危険な場所

北京の治安・緊急連絡先

北京パトカー

中国のパトカー。日本のパトカーとほぼ同色なので認識しやすい

日本の110番や119番って北京では何番なの? トラブルに遭遇したら、どこに連絡すればいいの? そんな“いざ”という時のために知っておくべき北京の緊急連絡先を一挙紹介します! 北京へ旅立つ前に一読はもちろん、できればプリントアウトして持っていってくださいね。

続きを読む>>>北京の治安・緊急連絡先

次のページから、トラベラーが遭遇しやすいトラブルとその具体的な対策について説明していきます。 

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