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古酒づくりのスペシャリスト山川酒造 限定秘蔵酒かねやま30年古酒(2ページ目)

むかしむかし、沖縄の旧家では、大切な蔵の鍵を主人が家人に預けることはあっても、古酒の入った蔵の鍵はどんな時でも肌身はなさなかったと言います。長い年月を重ねて熟成した古酒とは、それほど貴重だったのです。

執筆者:鈴木 雅子

■ 泡盛は古酒!と言い切る山川酒造

山川酒造沖縄本島の本部町に、徹底して古酒にこだわり続けている酒造所があると聞き、行ってきました。山川酒造さんです。戦後の1946年創業という沖縄では比較的新しい蔵ですが、「古酒のやまかわ」として県内外に広く知られており、現在市販されている古酒の中で、もっとも古い30年古酒を限定販売していることでも有名です。

かねやま30年古酒それが1999年に発売した「かねやま30年古酒」。すでに発売から6年が経過していますから、実際には36年古酒となります。商品の1本1本には本物の証として限定認定番号と製造年、印が押されています。

文句なく古酒の「超一級品」であり、その味わいたるや口では言い表せないはず。まろやかさと奥深さ、口の中にふわ~と広がる上品な香り……。(飲んでみたい~)

三代目の山川宗克さんによると「1000本限定で売り出したので、あとわずかしか残っていません。カメで熟成中のものは別にあるのですが、こちらは4年後に40年古酒として発売しようと計画しているんですよ」

市場価格約5万円と大変高価な古酒です。でも、30年(36年)古酒を飲めること自体が幸運といわざるを得ませんよね。

設立当時の山川酒造所さて、山川酒造では設立当初から古酒にこだわり続けてきました。昔ながらの常圧蒸留泡盛です。しかし戦後の貧しい時代には「つくって売る」が優先されました。古酒造りができるようになったのが36年前、ということになりますよね。

「どんな時でも、とにかく頑張って古酒を寝かせておきなさい、という祖父、父の代から引き継いだ志と古酒を、50年、100年と育てながらやっていくつもりです」という山川さん。

ご存知のように酒造りにとっては「水が命」。日本一早い桜の里として知られる本部町八重岳から湧き出る豊富な清水で泡盛を仕込んでいます。

タンクを説明する山川さん工場を拝見して驚いたことがあります。

外から見た限りでは、地味で小規模の酒造所というイメージです。ところが一歩工場に入ると、酒造所の命とともいえる泡盛づくりの設備がスゴいのです。写真では暗くてよく見えませんが、ピカピカに磨かれたとっても大きなステンレスタンクがいくつも並んでいます。

年間販売量の数倍にも達するというこのタンクで、じっくり、じっくり、古酒を熟成させていこうという遠大な計画。

単に泡盛を造るのではなく、50年、100年後に蔵出しするための古酒を造りつづける山川酒造が、初代からの願いを込めて世に送りだしたのが「かねやま30古酒」。酒を知り尽くした大人の、贅沢を許された人だけのための限定秘蔵酒です。

※次のページはヴィンテージ表記された限定古酒「やまかわ」です。かねやま30年古酒の購入方法も紹介してあります。

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