温泉/中国地方の温泉

国指定文化財の宿で足元湧出湯の旅館大橋 山陰の足元湧出温泉 三朝温泉

足元湧出源泉浴槽が3ヶ所並ぶ、上の湯はトリウム(トロン)泉世界一と表示 中の湯、下の湯(ラドン泉)が黄色い花崗岩の自噴で素晴らしい。宿の建築も素晴らしい、景観も良い

執筆者:郡司 勇


山陰の足元湧出温泉 三朝温泉

国指定文化財の宿で足元湧出湯の旅館大橋
足元湧出源泉浴槽が3ヶ所並ぶ、
 上の湯はトリウム(トロン)泉世界一と表示 
 中の湯、下の湯(ラドン泉)が黄色い花崗岩の自噴で素晴らしい。 
 宿の建築も素晴らしい、景観も良い


大橋旅館の重厚な外観
今回は大橋に泊まりでゆっくりと楽しみたかったが、3週間まえに予約したが、すでに満室で残念であった。前を通るたびに宿の風格に圧倒され、以前から三朝に来たらこの宿に泊まろうと思っていたが、その楽しみは、さらに将来への先送りとなった。いつも三朝に来ると、この旅館の前に佇み写真を撮ったり、ディティールを観察したりする。今回も入るまで見学して廻り、かなりの時間を要した。




玄関は唐破風の立派なもの 
立派な日本建築は楽しい、空間や屋根はスケールアウトした豪放さながら、意匠は繊細で、両方兼ね備えて持っている。かなり改修を重ねたとも思われるが、建築のほとんどが国指定文化財である。このような貴重な宿でありながら15時から21時までの「湯巡りの宿」にも参加しており、今回私が訪問しても気軽な対応で非常に好感した。本当に良い温泉宿は昔ながらの湯治の伝統で、誰でも気軽に受け入れる文化があるのであろうか、日奈久の「金波楼」や湯の児の「山海館」も同様であった。脱線するが、妙な自信のある高級宿ほど厄介な代物はない、やたらに大仰で鼻が高く、いつもいやな後味を残すのはそんな宿である。ほんとうに良い宿は、温泉に対してはオープンで気軽な感じで、伊豆修善寺の「あさば」や谷津温泉の「石田屋」のように相手にされずに追い出されるなんてことはまったくない。


浴室が圧巻 


天然岩がそのまま浴槽
さて、温泉は建築に劣らず日本一と言っても良いほどに奇跡的なものである。川原の石が露出した浴室で、1つの足元湧出源泉でも貴重なのに、右から上の湯、中の湯、下の湯と3ヶ所の足元湧出源泉を持っている。岩が黄色い大理石のような綺麗な天然岩で美しい、しかし上の湯のみは岩が黒く変色していた。浴室は青森県の「酸が湯」のようなややが下がった大空間で、隣に流れる三徳川のレベルに岩が露出している。御影石が主体の石は美しく同じく三朝の「万翠楼」でも見かけた黄色味がかった岩である。V字型に切れ込んだ亀裂から湧出し、湧出地点の岩はあまり加工されていなく、自然のままを大切にしていることがわかる。野趣に富んだ浴槽である。湯は綺麗に澄んで岩が見える。足元湧出源泉浴槽のなかでも、白木川内や真賀温泉、などのように黒い岩でなく岩の色が明るいし、さらに空間が広い、素晴らしい天然の妙で日本の全温泉のうちで屈指の浴室の一つであることは間違いない。




湯の流れがわかる足元湧出温泉
湯も3種類の温度があり上の湯(トロン泉)は適温、中の湯は湧出量も多く熱め、下の湯はややヌル目である。「上の湯」のトロン泉は450マッヘで世界に類例がほとんど無く、この数値は世界一であると立派な木の額に表記されていた。たしかトロンは半減期が数秒と極めて短いために足元湧出源泉でないと効果はないであろう。まさにこの浴槽であるから実現しているのであろう。ちなみにこの源泉のラドンは80マッヘでる。



旅館 大橋の客室も素晴らしい 


凝った意匠の部屋、さすが文化財
宿が素晴らしい。川に沿った立地で、どの部屋からも水量の多い流れが眺められる。このような美しい日本建築は和風温泉旅館の理想であろう。館内も気軽に見学させてくれた。珠玉の部屋は天井が唐傘のようになっていた。書院の化粧欄間も素晴らしく凝ったものである。写真をたくさん撮影した。宿と温泉の双方とも非のつけようがなく全国で5回目の満点の評価としたい。


※この記事に書かれている情報は2004年3月時点のものです。ご利用の際には最新情報をご確認ください。


山陰特集*
  • 山陰の名湯巡り1 
  • 山陰の名湯巡り2
  • 広島と山陰の湯2
  • 広島と山陰の湯1  
  • ※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

    あわせて読みたい

    あなたにオススメ

      表示について

      カテゴリー一覧

      All Aboutサービス・メディア

      All About公式SNS
      日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
      公式SNS一覧
      © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます