体験報告:進化する上級クラス

掲載日: 2006年 05月 24日

ニュージーランド航空が空の旅を変えた!

文章:秋本 俊二(All About「世界のエアライン」旧ガイド)
唐突ですが、みなさんはワインはお好きですか? 私は大好きで、なかでもニュージーランド産の「赤」はとても気に入っている一つです。この5月に、同国最大の都市オークランドのワイナリーを取材で訪ねることになりました。私にとっては初めてのニュージーランドです。タイトな日程をできる限り有効に使うため、フライトはいくつかの選択肢の中からニュージーランド航空の直行便を利用。毎日夕方以降に日本を発つ同エアラインを使えば、オークランドには翌朝到着し、初日からたっぷりと時間を活用できるからです。

夜行便は疲れが残るから好きじゃない、という人もいますが、その点でもニュージーランド航空はいま最もおすすめの1社。06年3月から成田─オークランド線全便に新機材「B777-200ER型機」が就航し、快適性を極限にまで高めた画期的なビジネスシートも導入されました。

今回から新しくスタートするシリーズ企画『体験報告:進化する上級クラス』──その第1回目として、ニュージーランド航空「ビジネス・プレミア」で行くオークランドの旅を紹介します。

── Page Index ──
【P.1】 斜めに配置した新ビジネスクラス独特のシートレイアウト
【P.2】 キャビンでは街のレストランで見かけるような光景も
【P.3】 背もたれを前方に倒し全長202センチの水平ベッドが完成
【P.4】 眠りから覚めると、窓の向こうには“City of Sails”
【P.5】 Photo Report ──オークランド&ワイヘキ島を訪ねて
【P.6】 豊かな国民性が超個性的なフラッグキャリアを築き上げた



斜めに配置した独特のシートレイアウト


B777-200ER
06年3月から成田─オークランド線全便で就航した新機材「B777-200ER型機」
06年3月から新しく導入したボーイングの“トリプルセブン(777)”を、ニュージーランド航空は「ビジネス・プレミア」「パシフィック・プレミアム・エコノミー」「パシフィック・エコノミー」の3クラスで運航しています。私が利用したのは、成田発18時15分のオークランド行き「NZ90」便。翌朝からの取材活動に備えてゆっくり身体を休めておく必要があるため、行きの便では「ビジネス・プレミア」を予約しました。

成田空港の搭乗ゲート前で、約束していたグランドスタッフの吉田博隆さんにお会いし、一般乗客の搭乗が始まる少し前に機内に案内してもらいました。太い円筒形ボディの広々とした室内が「B777」の特徴です。そのキャビンに足を踏み入れると、かつて経験したことのない異様な雰囲気に包まれました。理由は──写真にあるような、進行方向に対してシートを斜めに配置した独特のレイアウトです。「ビジネス・プレミア」のシート配列は「1─1─1─1」の計26席で、どの席も通路とのダイレクト・アクセスが可能。私の知る限り、こういうキャビンのつくりはほかにヴァージン アトランティック航空の「アッパークラス・スイート」に見られるだけで、実際に体験するのは今回が初めてです。


私のシートは「04K」。向かって右手の窓側席です。窓側といっても、通常はすぐ横にあるはずの窓が、肩越しに振り向かなければ見えません。不思議な感じです。手荷物を置き、真新しいレザー製のアームチェアに腰を下ろすと、それまで感じていた“違和感”はすぐに“快適さ”に変わりました。

リクライニング・ポジションのまま離陸?


吉田博隆さん
一般乗客の搭乗前に機内に案内してくれたグランドスタッフの吉田博隆さん。
「新しいビジネスシートは完全独立型なので、他のお客さまへの気兼ねが要らないととても好評です」と吉田さんは言います。「新機材を導入して2カ月になりますが、シートの予約は連日ビジネスクラスから埋まっているようですね。今日もほぼ満席の状態で、これだけ評判がいいと、お客さまをご案内する私たちも張り合いがあります」

フライトサービス・マネージャーのダグラス・グラントさんにこの便に乗務しているCAたちを集めてもらい、機内での記念撮影を終えると、いよいよ一般乗客の搭乗開始です。離陸までのしばらくの間、私はオットマンタイプのフットレストに足を投げ出して心地よいプライベート空間に浸りながら、各設備の使い勝手を試してみました。電動リクライニング、ワンタッチで出し入れできる大型テーブル、2つの個人用読書灯……どれも使いやすく、操作に戸惑うことはありません。そして離陸の時間が近づき、いつもの習慣で背もたれの位置を元に戻そうとすると、「お客さま、どうぞそのままで──」とCAの一人に声をかけられました。

リクライニングのままで? 意味を飲み込むまでに、少しだけ時間を要しました。シートベルトにエアバッグが装備され、なんとリクライニング・ポジションでの離着陸がOKになったのです。ニュージーランド航空の「ビジネス・プレミア」の旅は、そんな驚きと興奮のなかで始まりました。


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