洗練された地中海テイスト、チュニジア料理
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マルスーカというクレープ生地に卵などをいれて揚げた「ブリック」。前菜にも気軽なおやつにもなる |
イタリア半島にほど近く、地中海らしい味を楽しめるチュニジア。スペイン、イタリア、ギリシャに次ぐオリーブオイル生産国であり、料理にもよく使われます。モロッコの項で紹介した「クスクス」はチュニジアでも定番ですが、トマトベースのスープが主流で、好みに応じて「ハリサ」と呼ばれるコリアンダーや唐辛子の入った辛いペーストを加えるのがポイント。このハリサはバターがわりにパンに塗ることもあります。実はチュニジアにも「タジン」という料理がありますが、モロッコのタジンとはまったく違い、チーズと卵で作るオムレツのようなもの。同じ北アフリカなのにユニークですね。
独特の風味を持つ「インジェラ」が主食、エチオピア料理
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手前のグレーのクレープ状の生地がエチオピアの主食「インジェラ」 |
20世紀における数年間のイタリア支配をのぞき、3,000年もの長きにわたって独立を保ち続けたエチオピアではユニークな食を楽しむことができます。主食の「インジェラ」は、アワ科の穀物(テフ)の粉を水で練って発酵させ、クレープ状にして焼いたもの。ほのかな湿り気と酸味が独特で、日本人だと好みがわかれるところかも。また、料理の味付けに必須なのが、赤唐辛子やオールスパイスなどで作る「バルバリ」という調味料。バルバリを用いた料理としては、肉や野菜と一緒に煮込んだシチュー「ワット」が有名。ちなみにバルバリを使わないマイルドなバージョン、「アレチャ」もあります。肉料理の種類が多く、なかには生の牛肉をタマネギなどと和える「キトフォ」と呼ばれる料理も。また、コーヒー発祥の国ゆえに、その味は推して知るべし。現地の人々は大切な客をもてなすとき、コーヒーセレモニーと呼ばれる伝統的な作法に従って、コーヒーをふるまいます。