ローマは街全体が美術館!
ふと見上げると、意匠を凝らした美術品が街のそこここに! |
ふとまわりの風景に目をやると、数世紀もそこに鎮座する骨董美術品が何気なく視野に入る。「ローマは街全体が美術館のよう」と揶揄されることがしばしばありますが、それも、この街をホンの少し歩くだけで、「なるほど。」と納得することでしょう。大げさに奉り上げられることなく、普通の暮らしに溶け込んでいるかのような、そのうまいディスプレイ!にも、我が家で美術品を飾るときの参考になるかもしれません。
そうした「街全体が美術館のローマ」の中でも、特に中世の面影をよく留め、現在では通りの両側にアンティークショップが軒を連ねることから「骨董ストリート」として、美術品が好きな観光客にも密かに人気を呼んでいるコロナーリ通り(Via Coronari)。ローマに行くなら、ぜひとも訪れたい通りのひとつであります。
コロナーリ通りとは?
かつて巡礼者の通る道だった「コロナーリ通り」。今は「骨董ストリート」として密かな人気を呼んでいる。 |
中世時代、聖地巡礼のためにローマを訪れた多くの巡礼者が、サン・ピエトロ大聖堂へお参りに行くためにこの道を通りました。彼ら巡礼者に向けて聖冠(Corona)やロザリオなどを売る店が密集していたことからコロナーリ通り(Via Coronari)と名づけられたそうです。
ナヴォーナ広場からコロナーリ通りを抜けて、ヴィットリオ・エマヌエレ・2世橋を渡れば、サン・ピエトロ大聖堂の参道「コンチリアツィオーネ通り」はスグ目の前。この橋のスグ隣にはサンタンジェロ城へ渡るための「サンタンジェロ橋」もあります。真っ直ぐに走るこの通りはいわば、サン・ピエトロ・エリアへの抜け道でもあるわけです。
中世時代よろしく、サン・ピエトロ大聖堂へ向けて、ゆったり散策するのにもよし、ヴァチカン美術館散策の後、旧市街エリアに戻るための近道にしてもよし。道幅が細いため車の通りも少なく、旧市街の中心部とは思えないほど閑静なこの道はオススメの散歩道なのです。
⇒次のページでは「コロナーリ通り」の歩き方、愉しみ方