ローマ/ローマの観光・美術館

ローマ美術散歩 骨董通り散策のススメ(4ページ目)

街全体が美術館といわれるローマ。ヴァチカン美術館やボルゲーゼ美術館など有名スポットはガイドブックにお任せして、ローマ在住者がオススメする「骨董ストリート」で粋な美術鑑賞を洒落込もう!

岩田 デノーラ 砂和子

執筆者:岩田 デノーラ 砂和子

イタリアガイド

骨董屋めぐりは愉しい旅の思い出に

photo by SAWA pasqua
「Marmi Line」の18世紀の大理石彫刻。持って帰るのはさすがに重い?!
そんな独特な香りを放つ細い路地に並ぶのは、骨董店や美術店。それぞれに個性があり、絵画専門店、銀製品専門店、家具専門店などといったように取り扱う商品が特化されています。中には、18~19世紀の版画だけ、はたまたフランス製の置時計だけを専門に扱う店。1900年代初頭から60年代頃までのブリキのおもちゃや絵本などを置いている店もあり、のぞくだけでも楽しいお店がいっぱい。

 イタリアといえば、良質な大理石が採取されることで有名ですが、そんな大理石を使った美術品を扱うお店もあります。「MARMI LINE」はそんなお店のひとつ。1933年創業の老舗店で、大理石を使った彫像や家具、小物などが幅広く取り揃えられています。ローマ皇帝のカエサルやマルクス・アウレリウスの実寸胸像(どうやって計ったんでしょうね?)、黒大理石の彫刻に金細工を施した燭台、色とりどりの大理石を組み合わせたモザイクのテーブルなど、溜め息の出るような豪華な品々。重量も相当なものなので、日本まで買ってもって帰るのはなかなか難しいですが、美術館では見られない、いわゆる家や庭に飾るための「生きた美術品」を眺めてみるのも面白いでしょう。

 
photo by SAWA pasqua
ベネチアン・グラス専門店の「SCIAM」。こんなランプなら持って帰れそう?
ところで、こういったアンティークショップの店内には、だいたいご主人がひとり、奥の椅子に地蔵のように座っているもので(店先で知り合いと立ち話をしていることも多々ありますが)、入り口でしっかり彼らと目を合わせ“ボンジョルノ。ポッソ・ヴェデーレ?(こんにちは。ちょっと見せてもらっていいですか?)”と挨拶しながら入り、「その道のプロ」であるご主人からいろいろと薀蓄を聞くのも楽しいひととき。芸術の本場イタリアで、美術道一筋で生きるご主人と美術談義に花を咲かせるなんて、なかなかできない経験ですよね。「何か買わなくちゃ出られないんじゃないか?」なんて心配もご無用。美術好きな人に慌てものはいませんから、のんびり話してのんびり「また来ますね~」と出て行けば、まったく問題ありません。

このコロナーリ通り、こういった個性的な骨董品や美術品を扱うお店のほかに、ネクタイ専門店、キッチン用品専門店などといった気軽にお買い物ができるお店もいろいろあります。さすが美術に目が高い人々が訪れるストリートだけあり、どこもなかなかの品揃え。気の利いたお土産を見つけるのにもオススメです。

 「SCIAM」は、美貌のマリー嬢が経営するヴェネツィア・グラスのお店。中に入ってまず目を引くのは天井から垂れ下がる色とりどりの意匠を凝らしたランプ。他にも現代的な模様をあしらったコップ類、指輪やペンダントトップ(パーツだけでも販売)などのアクセサリー類など、小さい店ながら品揃えはとても豊富。お値段も手ごろで良心的です。

また、ヴェネチアといえば、ムラーノガラス。ムラーノガラスを使ったアクセサリーやアート作品を販売する工房&ショップ「La Fornace」など(近日アップ予定)も。




photo by SAWA pasqua
コロナーリ通りで、旅の記念になる掘り出し物が見つかる。お土産にしてもよし、写真に撮るもよし、もちろん、心にだけ納めてもよし…
このコロナーリ通りを満喫するには、およそ1時間もあれば十分です。400メートルの骨董ストリートを行きつ戻りつ、ローマの芸術品に包まれた街の息吹を感じてください。

さて、そんなコロナーリ通りを歩くときは靴にご注意!なぜなら、端から端まで昔ながらのガタガタの石畳が続くから。この敷石はサンピエトリーノ(聖なる小さな石の意)と呼ばれ、サン・ピエトロ大聖堂前やローマの広場、街路などに広く敷き詰められています。もちろんそれらはこよなく美しくまた詩的ですらあるのですが、不揃いな石の道になれていない日本人にはかなり危険な存在でもあります。とくに雨の日はさらに表面がツルツルと滑りやすくなるので要注意です。

 足元ばかりに気をとられず、辺りの風景を楽しみながら(安心して)お散歩するためには、履きなれた歩きやすい靴を履いていくことを強くお勧めします。これはローマのような古都を観光するための鉄則ともいえます。しかしこのように靴選びにさえ気を配っていれば、危険なはずのサンピエトリーノが、あら不思議。むしろ土踏まずなど足裏のツボを微妙に刺激して長時間歩いた足の疲れを癒すという意外な効果もたらしてくれるかもしれません。




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