<目次>
サイゴンから来た晩白柚……食べ方は?
晩白柚の食べ方
その由来は古く、大正9年に晩白柚の産地(熊本の氷川)出身の植物学者 島田弥一氏が、現在のベトナムの船上で食べた柑橘があまりにも美味しくて、サイゴンの植物園から株を分けてもらったのが起源のようです。
但し、当時は栽培法がわからず、普及には至らなかったようです。その後、昭和5年に台湾から鹿児島県果樹試験場に株が導入され、最適産地の八代市地区に根付いたようです。
晩白柚は栽培が非常に難しい
晩白柚はとても栽培が難しいです。先ず、自分自身では受粉しにくいので、晩白柚以外の柑橘類がないと、実がならないのです。晩白柚の晩の字が示すように、受粉時期が遅いので、他の柑橘類の花粉がない時期に受粉しなければなりません。その為、農家ははっさくの花粉などを冷蔵保存して、人工授粉させます。もちろん、実があまりに巨大なゆえに、台風の風の被害を受けやすく、日当たりがよく、風をよけられる場所でしか栽培できませんから、栽培適地も非常に限られます。
当然、生産量も非常に少ないです。
収穫後、2週間ほどビニールハウスで追熟させ、色だしと酸味抜きをして、ようやく出荷できます。晩白柚の特徴は非常に長い日持ちです。常温で保存すれば、2ヶ月近く味は変わりません。
晩白柚はどんなに大きいか?
卵と比較すると大きさがわかります |
大きさの点では間違いなく世界一の果実だと思います。(スイカは果実ではないです)
晩白柚の味と香りは?
粒が大きく食べ応えがすごい |
香りはとても良いです。日持ちしますから、先ずは玄関や部屋(もちろん、床の間)において、インテリア的な楽しみ方をするのがお奨めです。
食べるのは、充分に姿と香りを楽しんでからでも遅くはありません。
こいつが玄関に鎮座していれば、訪れた人は必ず驚嘆の声をあげます。
晩白柚を100%楽しむ方法
玄関に置くとこんな感じです |
そのまま果肉を味わう
果肉部分を覆う白い部分 |
晩白柚は皮の苦味が強いので、グレープフルーツのように切って食べると、果肉に皮の苦味が染みて美味しくないです。
後は夏みかんのように、半透明の薄い皮を剥いて頂きます。
薄皮は思ったよりも簡単に剥けます。中の果肉は粒が大きく、酸味が少なく食べた後の舌に残る苦味もほとんどないです。
果皮(白い部分)の砂糖漬け
白い果皮をお菓子に使います |
ご存知の方も多いと思いますが、白い部分は砂糖漬けにします。苦味の強い黄色の皮を包丁でむきます。大き目の鍋を用意し、白い部分を透明感が出るまで、中火で落し蓋をして20分ほど煮ます。落し蓋をしないと、皮が浮かんでしまいます。
透明感が出たら流水でさらします。
ほろ苦さが嫌いな方は長く水にさらし、あく抜きをします。(24時間、水を2~3回取り替えるとあくが抜ける。)柑橘独特のほろ苦さが好きな方は、さっと水でさらす程度で、苦味を残します。苦味が強い場合は砂糖が多めが良い感じです。
砂糖500g~700gに水(150cc)を入れ火に掛け、砂糖を溶かします。下煮した晩白柚を入れ、水分がなくなるまでとろ火で煮ます。(1時間半から2時間)
仕上げに白砂糖かグラニュー糖(500g~300g)をまぶして出来上がりです。
今回は三温糖なので色が濃いです |
果皮(黄色い部分)で温まる
皮も使えるので捨てません |
一度には使いきれないので、冷凍で保存し、楽しみたい時にお風呂に入れると良いと思います。
シンプルに三温糖だけでマーマレード的に煮込んでも良いです。また、オレンジピールの様に加工すれば、お菓子のトッピングなどにも重宝します。
晩白柚(ばんぺいゆ) 見て・香って・食べて・お菓子にして・お風呂に入れて
これだけ楽しめが元は取れます。もちろん、スイカサイズの晩白柚は驚きの贈答にもピッタリです。
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