古くから滋養強壮として活用されたクコ

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乾燥したクコの実。中華料理の食材売り場や、ドライフルーツのコーナーなどで手軽に買うことができます。

クコは、中医学では古くから滋養強壮や、目の疲れを回復する薬として使われ、葉(クコヨウ=枸杞葉)、実を(クコシ=枸杞子)、根皮を(ジコッピ=地骨皮)と呼ばれます。

日本でも平安時代から不老長寿の薬として伝えられ、クコ酒やクコ茶など民間療法として使用されてきました。厚生労働省は、葉と実は、非医薬品、根皮は医薬品として区分しています。

以前から健康によいと何度かブームを呼び、家庭栽培されたものが街や野原に広がったそうです。ガイドも「摘み菜」を勉強している時に、案外身近な野原で葉を摘むことができることに驚きました。柔らかい若葉を茹でて、おひたしやご飯に混ぜてクコ飯やクコ茶にする食べ方を教えていただきました。

クコには、どのような栄養成分が含まれているのでしょうか。「健康食品」の安全性・有効性や、健康食品素材の科学的実証データのサイトでは、クコの実には、ゼアキサンチンというカロテノイドという色素成分や、甘味に関わるアミノ酸のベタイン、ビタミンB1、ビタミンB2、リノレン酸、多種類のミネラル、微量元素が含まれている」と記載されています。

漢方などでも目の疲労に役立つとされていますが、クコの実には含まれるゼアキサンチンは、目の網膜中心部に存在することが知られており、近年科学的にもクコの実がゼアキサンチンの有用な供給源と見られ、研究がすすめられています。

また近年メディアでも取り上げられたように、欧米では栄養価が高く、また抗酸化力が高いスーパーフルーツの一つとして人気のようで、L-アスコルビン酸2-β-グルコシド(AA-2βG)という強い抗酸化成分が高濃度に含まれていることなどがわかっています。

日焼け対策に役立つ可能性も研究

抗酸化作用といえば、紫外線が気になる時期ですが、クコの実のエキスと日焼けや美白に関連する報告が、日本でもいくつかありました。

資生堂リサーチセンターでは、エキスを摂取すると、紫外線による急性傷害を防ぐ働きがあるという研究結果を報告しています。紫外線を浴びてすぐの「急性傷害」の症状は、目に見えない細胞レベルから、赤くひりひりした日やけ、色素沈着などさまざまなダメージがあります。

同センターでは、健康な男性9名(20代~50代)を対象に、紫外線ダメージによる皮膚急性傷害(紅斑、色素沈着)に対するクコの実エキスの効果を検証する試験を行ったところ、クコの実エキスを飲む前に比べ、飲んだ後の方が紅斑、色素沈着の程度が軽いことがわかりました。

また株式会社サティス製薬でも、クコの実エキスにビタミンCの2倍の美白作用があることを発見、次いで抗酸化作用においてもビタミンCの6倍高い活性があることを発見したと発表しています。

あくまで、これらの報告はエキスによるものですし、「健康食品」の有効性・安全性情報では、ヒトに対する信頼性のある情報はいまだないとしており、食品としてのクコの実の作用が確立されたものではありません。クコの実に含まれる栄養成分と、その有効性については、研究が進められているところです。