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トウブニシキガメの飼い方とは? 飼育しやすく初心者にもおすすめ

今回は、トウブニシキガメの基本情報や飼い方をご紹介いたします。さほど大きくならず、飼育もしやすいため初心者にも飼育が勧められるカメです。食性は、幼体時にはほぼ完全に肉食で成長と共に植物質もよく食べるようになる雑食性です。

執筆者:星野 一三雄

トウブニシキガメの基本情報

トウブニシキガメ
撮影協力:ペポニ
トウブニシキガメ
学 名Chrysemys picta picta別 名:-英 名:Eastern Painted Turtle分 布:アメリカ合衆国東部(カナダ南東部からジョージア州の大西洋沿岸の各州)甲 長:最大19cm

北アメリカでもっとも広く分布するヌマガメであるニシキガメの基亜種です。

ニシキガメChrysemys picta はカナダからアメリカ合衆国南東部に広く分布しており、現在は以下の4亜種に分けられています。

  • トウブニシキガメChrysemys picta picta ・・・基亜種。アメリカ合衆国東部
  • セイブニシキガメC. p. bellii ・・・カナダの南西部からアメリカ合衆国中央部にかけて広く分布
  • セスジニシキガメC. p. dorsalis ・・・アメリカ合衆国南部(ミシシッピ川流域周辺など)
  • フチドリニシキガメC. p. marginata ・・・カナダ南東部からアメリカ合衆国中東部
上記の亜種の分布はかなり大まかに示しましたが、亜種の分布域の重なり合うところなども多く、分布も広いため複雑になっています。ニシキガメ属は、ニシキガメ1種で構成されるモノタイプの属ですが、一見するとアカミミガメ等のスライダーに似た印象を持つカメです。種としては、背甲の色が濃緑色から黒色で、オレンジ色や黄色の斑紋が亜種によって特徴的に入っています。また頭部や四肢にはオリーブ色から黒色の地色に黄色や赤色の筋状の斑紋が多数入っています。また腹甲は幼体時に赤みが強いオレンジ色で、成長に伴って黄色が強くなっていく地色に暗色の斑紋が亜種によっては入っています。

本亜種の背甲の斑紋は、背中線に明色の細いラインが入りますが、これがない個体も多いようです。本亜種の最大の特徴とされるのが第3椎甲板と第3肋甲板の前縁のシームが横に一直線状になっていることです。以下の画像をご参考ください。写真中のグリーンのラインが一直線状になっているシームです。

トウブニシキガメの背甲の特徴
トウブニシキガメの背甲の特徴・数字は椎甲板と肋甲板の番号
また、腹甲には暗色の斑紋がなく、黄色一色です。


分布が広いためか、非常によく研究されているカメで生態も詳しくわかっていますが、ここではごく基本的なことだけご紹介いたします。

さまざまな水環境に生息していますが、どちらかというと緩やかな流れのある小規模な水場で植物質が多く、泥底の環境に多く見られるようです。また昼間は、日光浴をよく行います。

食性は、幼体時にはほぼ完全に肉食で成長と共に植物質もよく食べるようになる雑食性です。

メスは5月下旬から7月上旬に行われ、1回に2-13卵ほどで、2-4クラッチ産むことがわかっています。卵の大きさは27.9-35.1×15.9-22.6mmで、通常は65-82日程度ですが、北部の個体群では遅くに産卵された卵は、冬を越して翌春に幼体が地表に現れるそうです。孵化した幼体は244-30mm程度の甲長で、特に腹甲が鮮やかな赤みがかったオレンジ色です。

以前から国内にも、比較的安価で流通していて人気があるカメです。さほど大きくならず、飼育もしやすいため初心者にも飼育が勧められるカメです。また原産国であるアメリカでも、都市部では生息数が減少傾向ではあると思われますが、分布域も広くそれほど危急的ではありませんので、そういう視点からもペットとしての適性を備えているヌマガメでしょう。さらに、まれに色彩変異と思われるような特別なカラーリングの個体も流通していてコレクション性も高いと言えるでしょう。

ただ、個人的には「錦」というほど派手ではないかな、と思うのですがどうでしょう?それと、私が子供の頃に、小さな幼体を買ってきて、何もせずに死なせてしまったことがあり、その時のトラウマからか「飼いにくいカメ」という印象が強くなってしまっています。ニシキガメに限らないのですが、やはり小さな幼体から育てるのは、ちょっとした工夫が要るわけですが。何にしても、飼育しやすいということですから、ちょっと見直したカメであります。

ちなみに特定外来生物法で「要注意外来生物」として指定はされていません。
 

赤っ恥をかかない程度の知識
  • ニシキガメの基亜種
  • 昔から、国内にも比較的安価で流通する
  • 背甲のシームに直線上になる部分があるように見えるのが特徴
  • 腹甲には暗色斑がない
 

トウブニシキガメの飼育方法

飼育容器 ミドリガメの飼い方を参照
温度
照明
ろ過
床材(底砂)
容器内レイアウト


基本的な世話
いわゆる水生ガメの飼育法であるが、特に
  • 水道水によるこまめな換水による皮膚病になりやすい
  • 孵化直後の幼体は小さくて、弱い
  • など
※「分類」「飼育の基本情報」は「クリーパーNo.44」「爬虫・両生類ビジュアルガイド 水棲ガメ1(誠文堂新光社)」および海外サイトを参考にしました。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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