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コンキンナヌマガメの基本情報と飼育方法…リバークーターの基亜種!

今回は、コンキンナヌマガメの基本情報と飼育方法をご紹介いたします。コンキンナヌマガメは、北米に広く分布するクーターガメの代表種であるリバークーターの基亜種。飼育する際は、基本的にミドリガメの飼い方を参照していただければ大丈夫です。

執筆者:星野 一三雄

コンキンナヌマガメの基本情報

コンキンナヌマガメの基本情報と飼育方法

コンキンナヌマガメの基本情報と飼育方法

コンキンナヌマガメ
学 名Pseudemys concinna concinna別 名:リバークーター、コンキンナリバークーター、カロライナクーター英 名:River Cooter, Eastern River Cooter分 布:フロリダ半島を除くアメリカ合衆国東部から南部の低地甲 長:最大38cm

北米に広く分布するクーターガメの代表種であるリバークーターPseudemys concinna の基亜種です。

クーターガメ属Pseudemys の分類は非常に難しいのですが、今のところは要するにいわゆるクーターガメ類(クーターガメ亜属)4種とアカハラガメ類(アカハラガメ亜属)3種として大きく区別して考えるのが普通のようです。つまり「クーター」というのはクーターガメ亜属の4種を指すわけです。その4種は

  • リバークーターPseudemys concinna ・・・フロリダ半島の一部を除く合衆国南東部
  • ペニンシュラクーターP. peninsularis ・・・フロリダ半島のほぼ全域
  • リオグランデクーターP. gorzugi ・・・リオグランデ川流域など
  • テキサスクーターP. texana ・・・テキサス州
となっています。

さらに、リバークーターは本亜種を含む以下の3亜種に分類されています。

  • コンキンナリバークーター(コンキンナヌマガメ)Pseudemys concinna concinna ・・・基亜種。広い分布域
  • フロリダクーターP. c. floridana ・・・バージニア州南西部からフロリダ州北部の大西洋沿岸など。いわゆる「コモンクーター」として流通
  • スワニークーターP. c. suwanniensis ・・・フロリダ半島北西部のスワニー川流域
ふぅ...

またこれまで以下のような「○○クーター」とされたものも本亜種の中に含まれるものとして、亜種としては認められなくなったようです。

  • モビールクーターP. c. mobilensis
  • テネシークーター(ヒエルグリフクーター)P. c. hieroglyphica
  • ミズーリクーター(メッタークーター)P. c. metteri
  • ミズーリコモンクーターP. floridana hoyi ・・・元コモンクーターの亜種
ひぃ...

というわけで、学者さんたちの間でも、また私たち愛好家の間でもクーター類の分類というのは混沌として整理されていないためわかりにくいのです。

このように分類が混沌としているのは、亜種内での色彩や斑紋の個体差が大きいためでもあり、なかなか本亜種の特徴を定義づけることはできないのですが地色が深緑からオリーブ色で、各甲板に黄色やオレンジ色の細かい網目状の模様が入り、本亜種では特に後半部の肋甲板の後部に後ろ向きの「C」の字型の黄色いラインが入る個体が多いということです。また頭部から頸部にかけて11以上のストライプが入ることも特徴のようです。腹甲は黄色から薄いオレンジ色で、幼体ではシームに沿って暗色の斑紋がありますが、成長によって消えていきます。

緩い流れのある大きな河川を中心に生息していて、それにつながるような池や沼、湿地などにも生息しています。特に日光浴を好み、水面から突きだした構造物に複数の個体が並んで日光浴をしている姿もよく観察されます。

初夏に産卵を行い、1クラッチで9-29個の卵を産みます。卵は29.0-44.0×22.0-30.5mmで、80-100日ほどで孵化に至ります。孵化した幼体は甲長が27.0-36.5mm程度で、直後は斑紋は明瞭ですが色彩はやや薄く成長とともに黄色やオレンジ色が発色し鮮やかになっていきます。

成長した個体は植物食性が強くなりますが、基本的に雑食性でさまざまな水生生物を食べています。

と、まあ、とにかく分類がハッキリとしないため、これまで紹介するのを避けてきた、というより逃げていたのですが国内の雑誌でかなりスッキリとした現在の分類が解説されていたので、ご紹介しました。

一見するとミドリガメですし、国内でも多く流通しているのですが「リバークーター」では日本ではピンと来ませんし、ましてや学名から名付けられた「コンキンナ云々」では、一般化するわけもありませんし、ミドリガメやニシキガメ、アカハラガメ、チズガメあたりと比べるとイマイチの人気と言えるかもしれません。また大型になることも、その原因かもしれません。

しかし、何よりも星野は個人的にこのカメに強い思い入れがあります。というのも、10年以上前に、私がまだ川魚を追い回しているときにたまたま本屋で手にした爬虫類・両生類の小さな図鑑の最初のページに紹介されたのが、この聞き慣れない名前のカメでした。そこにあった非常に複雑な模様をした美しいカメに憧れを持ったことをきっかけに、両爬の多様さを思い知って、この道に入ったのです。まさに「両爬愛好家の星野」の原点となるカメです。あの図鑑のあの写真との出会いがなければ、今の私は存在しません。コンキンナヌマガメに感謝。

 

ミシシッピアカミミガメと同様に特定外来生物法で「要注意外来生物」として指定されています。

赤っ恥をかかない程度の知識
  • リバークーターの基亜種
  • リバークーターとしてとりあえず現在は3亜種
  • 「コンキンナ」はラテン語のconcinnusに由来し、意味はelegantとかprettyの意味らしい
  • 比較的多く流通している
  • かなり大きくなる
  • 大きくなること以外は飼育は楽
  • 成体は植物食性が強い
 

コンキンナヌマガメの飼育方法

飼育容器
ミドリガメの飼い方を参照

温度
照明
ろ過
床材(底砂)
容器内レイアウト

基本的な世話

いわゆる水生ガメの飼育法であるが、特に
  • 非常に大きくなるので、最終的に大型の飼育容器が必要
  • 幼体時は低温に注意する
  • など
※「生態」「飼育の基本情報」は「クリーパーNo.44 (クリーパー社)」「ビバリウムガイドNo.42(マリン企画)」「爬虫・両生類ビジュアルガイド 水棲ガメ1(誠文堂新光社)」および海外サイトを参考にしました。

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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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