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バンドトカゲモドキの基本情報と飼育方法……乾燥系の地表性ヤモリ!

今回は、バンドトカゲモドキの基本情報と飼育方法をご紹介いたします。バンドトカゲモドキは、アメリカに生息する乾燥系の地表性ヤモリです。やや華奢で線が細い印象であり、ひ弱そうに見えますが、見かけ以上に丈夫で、飼育はしやすいと言えます。

執筆者:星野 一三雄

バンドトカゲモドキの基本情報

バンドトカゲモドキの基本情報と飼育方法

バンドトカゲモドキの基本情報と飼育方法

バンドトカゲモドキ
学 名Coleonyx variegatus 別 名:バンデッドゲッコー英 名:Western Banded Gecko分 布:アメリカ合衆国南西部(カリフォルニア州、アリゾナ州、ニューメキシコ州、ユタ州、ネバダ州)、メキシコ北部(バハカリフォルニア州、ソノラ州)全 長:9-12cm前後 頭胴長5.1-7.6cm

アメリカに生息する乾燥系の地表性ヤモリです。

アメリカトカゲモドキ属Coleonyx は北米南部から中米にかけて分布するトカゲモドキの仲間で、一般に7種が知られています。本種はそれらの種の中で、もっとも北に分布する種類で、以下の6亜種に分けられています。

  • Coleonyx variegatus abbotti サンディエゴトカゲモドキ・・・カリフォルニア州南西部からメキシコのバハカリフォルニア州
  • C. v. bogerti トゥーソントカゲモドキ・・・ニューメキシコ州南西部、アリゾナ州南東部からメキシコのソノラ州北部
  • C. v. slevini サンタイネストカゲモドキ・・・メキシコのバハカリフォルニアスル州のカリフォルニア湾のサンタイネス島
  • C. v. sonoriensis ソノラトカゲモドキ・・・メキシコのソノラ州からシナロア州北部
  • C. v. utahensis ユタトカゲモドキ・・・ユタ州、ネバダ州、アリゾナ州にまたがった地域
  • C. v. variegatusサバクトカゲモドキ・・・カリフォルニア州、アリゾナ州、ネバダ州南部からソノラ州とバハカリフォルニア州北部
またその他にも数亜種を認める場合もあるようですが、いずれにしても亜種間の形態の違いは不明確である場合が多く区別は難しいようです。写真の個体は基亜種サバクトカゲモドキと思われますが、ハッキリとはしません。

一般的には地色が明るい灰色から桃色、黄色で背面から尾にかけて明瞭な暗褐色の横帯が入ります。この暗色帯と明色部の広さ、あるいは明色部に褐色斑が入る、頭部に斑紋がある等の特徴から亜種分けがされますが、オスの前肛孔の数でも見分けられるようです。

また他のトカゲモドキ同様に雌雄の判別は尾の付け根を見れば明らかで、成熟したオスはふくらみ、左右に棘状の大型鱗を持ちます。

乾燥した環境に生息し、倒木の下や岩の下などに潜み、夜間に出てきて活動をします。

エサはさまざまな昆虫類や節足動物です。

繁殖期は4-5月で、1-2個の卵を数クラッチ産みます。卵は45日程度で孵化します。

かつては、かなりポピュラーな種で、地表性ヤモリの選択肢の一つでしたが、いつの間にか流通しなくなり、ショップで見かける機会がほとんどなくなってしまいました。

やや華奢で線が細い印象であり、ひ弱そうに見えますが、野生では過酷な環境で生活しているからか見かけ以上に丈夫で、飼育はしやすいと言えます。また、意外に大胆な性格で、キョクトウトカゲモドキの仲間のように隠れっぱなしということもありませんから、ネコのような動きを見ていて飽きない生き物ですので、なんとかまた流通が増えると人気が出ると思うのですが。

とにかく何よりもCBだけでペットとしての需要がまかなえるようになることを祈ってやみません。

赤っ恥をかかない程度の知識
  • アメリカの南西部からメキシコの北部かけて分布
  • 6-8程度の亜種に分けられているが、亜種によっては区別が難しい
  • 小型で華奢だが丈夫で飼育はしやすい
  • 流通量は少ない
  • 基亜種を中心にときどき流通する
 

バンドトカゲモドキの飼育方法

飼育容器
単独なら30cm程度のプラケースでよい。通気性は確保する

温度
フィルムヒーターでケース下から保温する。低温部と高温部ができるようにする。できればホットスポットを作り昼間は35℃程度になるようにする

照明
爬虫類用の紫外線入り蛍光灯を点けた方がいい。また昼間はホットスポット用のライトを点ける方がいい

床材
目の細かい砂を浅く(5cm程度)敷く

容器内レイアウト
個体数以上の数のシェルターが必須。水入れは常設しなくてもよい


コオロギやミールワームなどの昆虫。カルシウム剤などの添加は必須

基本的な世話
いわゆる乾燥系地表性ヤモリの飼育方法
  • シェルターを二つ用意して、一つには一日一回霧吹きをするなどウェットシェルターにする
  • カルシウム不足にならないようにする
  • など
※「飼育の基本情報」は「爬虫・両生類ビジュアルガイド トカゲ2(誠文堂新光社)」「ゲッコーの本(リアルエステイト研究所)」「可愛いヤモリと暮らす本(マリン企画)」および海外サイトを参考にしました。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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