バナナスパイニーテールイグアナの基本情報バナナスパイニーテールイグアナ |
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メキシコに生息する比較的大型のイグアナの仲間です。 種としてはクシトゲオイグアナ Ctenosaura pectinata とされていて、その中で成体になった時に黄色が強く出るようになる個体を「バナナスパイニーテールイグアナ」と呼んでいて、中でも「イエローファントム」と名付けられている品種は、ほぼ全身が黄色くなり非常に美しい個体です。写真の個体は、まだ若い個体であるため特徴的な色彩が出ていないようです。 クシトゲオイグアナ(以下「クシ」)とバナナスパイニーテールイグアナ(以下「バナナ」)の関係は、非常に複雑です。簡単に言うと、クシの中で以下の特徴を持った個体がバナナとされ珍重されます。
幼体時は全身が緑色をしていますが、次第に全身が褐色から黒褐色になり、やけどのように明色の不規則斑が全身に現れます。この明色部分が黄色くなるのがバナナと呼ばれる由来で、いわゆるキャリコ模様のように見えます。一方、クシの方は明色部分が白くなり、モノトーンであるのが一般的です。 なお、アメリカに帰化しているのはクシの方であるようです。 やや乾燥した岩場で生活をしていて、木にもよく登るようです。昼行性で岩場でバスキングをしている姿が観察されます。食性は、ほぼ植物食性ですが、小動物などもときどき食べるようです。 雌は春に50個以上の卵を土の中に産卵します。 エキスポに出展されていた「イエローファントム」は、それはもう本当に美しい個体だったようです。ここで写真をお見せできないのがヒジョーに残念です。ただ、海外サイトなどを見てみると、やはりフィールドでもかなり黄色い個体がいるようで、やはり別種なのかと感じました。でも、黄色くない個体でも、パイボール(部分白化)のように、かなり広い部分が真っ白になっている野生個体なんかもいて、もしかすると私はそっちの方が好きかも... アメリカでは、国内に帰化しているため比較的安く流通しているようですしCB化も進んでいるようです。まだまだ国内では流通量も少ないですし、バナナの方はさらに少ないからあまり知られていないようですが、かなりカッコイイので徐々に人気が出てくるかもしれません。特にバナナは異常なほど温和で扱いやすいということですから、これからが楽しみです。
「バナナ」の特徴が出ている個体 |
バナナスパイニーテールイグアナの飼育方法
〈飼育容器〉最終的には大型のケージが必要。幼体時は150cm程度の高さのガラス温室
〈温度〉
夜間は最低25℃、日中は最高35℃程度に保温。ホットスポットは40℃前後
〈照明〉
紫外線灯とバスキングランプが必要
〈床材〉
新聞紙など
〈容器内レイアウト〉
幼体時は止まり木を配する。大きくなったら太くてしっかりした止まり木を一本設置する。大型の成体以外は全身が浸かれる水容器を設置
〈餌〉
緑黄色野菜を中心にいろいろな種類の植物を与える。イグアナフードは野菜などに混ぜて与える程度。幼体時はコオロギなどを好む
〈基本的な世話〉
- 基本的にはグリーンイグアナの飼育に準ずる
- 止水を認識しないので、水流をつけたりドリップ式で給水する。スポイトなどで直接飲ませると馴化になる
- 動物質を与えすぎると痛風になりやすい
※生態等の情報は「ビバリウムガイド No.36(マリン企画)」「爬虫・両生類ビジュアルガイド トカゲ1(誠文堂新光社)」および海外サイトとショップ関係者の方の話を参考にしました。
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