「夏」や「暑い」から連想できる爬虫類5選
「夏」「暑い」から連想できる爬虫類
<目次>
1.「暑い」から一緒に涼む……オオアタマガメ
写真提供:Herptile Lovers
分 類:オオアタマガメ科学 名:Platysternon megacephalum英 名:Big-headed Turtle分 布:中国南部からミャンマー甲 長:18cm
しょっぱなから、かなりキビシイっすね。
爬虫類の飼育は、普通は保温が大切。つまり加熱して飼育します。
ところが、夏の暑さがとても苦手なので、飼育の際にエアコンが必須という爬虫類はかなりいます。と言うか、夏はどんな爬虫類を飼育するときでもエアコンを使ったり部屋の温度が上がりすぎない工夫が必要なんですけど。
で、そんな中でもとりわけ涼しくしてあげたいのがこちらのオオアタマガメです。
中国南部から東南アジアに生息するカメなんですが、山間部の谷川などに生息しているらしく冷涼な環境を好みます。
したがって、日本の夏はかなり彼らに厳しく、エアコンで部屋全体を涼しくしてあげて飼うのが標準です。どうせ、人間が生活する室内でもエアコンはつけるのですから、カメも一緒に飼えるというわけで一石二鳥。
もちろん、人間がいないときでも当然エアコンは稼働しっぱなし。24時間フル稼働です。
ただし、最近流通するCB(飼育下繁殖個体)ならば以前から言われているほど高温に弱いらしくはないそうですが。
ちなみにこのカメ、頭が大きすぎて甲羅の中に頭を引っ込められません。
爬虫類に詳しくない方に、この話をすると結構驚いてもらえます。カメのくせに頭を引っ込められないのか、と。でも、頭は巨大なカブトのような大きな鱗で覆われていますので心配ご無用です。
やや飼育が難しい上、国際的な商取引が規制されている種でもあるので流通量は少なく、高価(2万5千-5万円)です。
2.「暑い」から、もっと暑くなる……トゲオアガマ
写真提供:レプタイルストア ガラパゴス
分 類:アガマ科学 名:Uromastyx sp.英 名:Spiny Tailed Agama分 布:アフリカ北部、中東、インド、パキスタン全 長:25-50cm
いや、暑いのにさらに暑くなってどうするのか、と。
もう無理して暑さから逃れるのはあきらめて、暑いのが好きな爬虫類を飼育してしまおうというのも一興。
日本の夏でさえ中途半端な暑さとも言えるアフリカの砂漠からやってきたのがこちらのトカゲ・トゲオアガマの仲間です。
暑さというか、強い光を好み飼育下での高温部は50℃にもする必要があります。
ただし、だからと言って一日中、飼育容器内すべてがこの温度で生きていけるわけはありませんし、砂漠性ですから日本のような多湿の環境は好みではありません。
ですから場合によっては部屋はエアコンで室温を管理して、飼育容器内の一部だけを50℃にして...などと規模の大きい飼育環境を用意することになることもあります。
それでも、真夏に冷やしながら飼育しなければいけないわけでもないし、餌もほぼ植物食性で頑強であるため飼育はしやすい良いトカゲです。
特に、彼らの要求する強い光と高温を与えることで目を見張るような綺麗な色を発色したりと人気が高いトカゲです。
種類や亜種が多いため価格帯はさまざまでポピュラーで流通量の多い種類は1万円前後ですが、流通量の少ない種は10万を超えることも珍しくありません。
3.「暑い」から涼しげな色……ブルーツリーモニター
写真提供:aLive
分 類:オオトカゲ科学 名:Varanus macraei 英 名:Blue Tree Monitor 分 布:インドネシアのバタンタ島全 長:100cm 暑いなら、せめて見た目が涼しげな爬虫類を飼うというのもいいかもしれません。
そういうわけで寒色の代表である青色の爬虫類をご紹介しましょう。
両爬ファンには改めて言うまでもありません。青い爬虫類と言えば、コレ。青龍・ブルーツリーモニターです。
一般の方から見ると別に大したことないように見えるかもしれませんが、この青さというのは爬虫類にはあるまじき色なんです。ですから2001年に、インドネシアでこのオオトカゲが発見されたときの私たちの驚きと言ったらありませんでした。多くの人が何かの間違いであろうと感じたほどでしたから。
とにかく、もっとも美しい爬虫類のひとつです。
流通当初はそれは大変な高価でしたが、ようやく最近では価格も10万-20万円程度に落ち着いてきました。
オオトカゲというくらいですから尾の先端まで入れた全長は1mほどもあります。したがって誰にでも気軽に、というわけにはいきませんが特別に飼育がしにくいというわけでもありませんので、まだまだ魅力的なオオトカゲと言えるでしょう。
4.「暑い」から物理的に冷やしてもらう……ビルマニシキヘビ
主役はもちろんビルマニシキヘビ ベトナムにて
分 類:ボア科学 名:Python molurus bivittatus
英 名:Burmese Python 分 布:中国南部からミャンマー全 長:平均3-4m 最大 6m(飼育下で8.23mの記録がある) そんな生き物の環境に合わせて涼をとるとか、色で涼しい気持ちになるとか、そんなんじゃなくて、もう直球で!というせっかちな方は、いわゆる「冷血動物」とも言える爬虫類に直接冷やしてもらいますか?(※爬虫類は「冷血動物」とは言いません。「外温動物」です。)
ビルマニシキヘビくらいなら大きいから、首に巻いたり抱きしめたりしたら、そりゃひんやりしますよ。寝苦しい夜のおともにどうぞ...
念のため言っておきますが冗談です。
ビルマニシキヘビは特定「危険」動物ですから、むやみに外に出したりしてはいけません。逃げ出したりしたら新聞沙汰ですから。おとなしいと言っても万一のことがありますし、何よりそんな持ったり抱いたりしたらヘビは落ち着けませんから、生きていけません。
飼育するにしても大変な施設が必要で、許可も得なくてはいけません。それでも魅力的なペットスネークではあるんですが。
5.「暑い」んだから冷や汗をかく……ジムグリ
ジムグリ
分 類:ナミヘビ科学 名:Elaphe conspicillata 英 名:Burrowing Ratsnake分 布:南西諸島を除く日本全国全 長:70-100cm 最後は、前回と同じように国産種でオチとしましょう。
もう、冷やさなきゃとか、温度管理がとか、そんなんメンドーだ!
って人は逆転の発想で日本が誇る美ヘビ・ジムグリなんてどうでしょう?
ジムグリは日本にいる代表的なヘビで、オレンジ色の体色が大変美しい大人気のヘビです。
しかし、これの飼育がまたクセがあります。
基本的に暑さに弱いとされていますが、じゃ涼しい環境で飼育したら飼えるのか、というと必ずしもそうでない。
個体差はあるのですが、どうやら彼らは夏の間は代謝がガクンと落ちてほとんど餌を食わなくなるのです。
と言うことは、ほとんど活動しなくなるわけですから、世話することがないということです。
悪い言い方ですが、夏は放っておくことになります。
それで大丈夫なのかと言えば、大丈夫な個体もいるしダメな個体もいます。
ですから夏の間、飼育者は「ヒヤヒヤ」しっぱなしということになります。毎日毎日、来る日も来る日も「さすがに死んじゃっているんじゃないだろうか...」なんて。
まさに「冷や汗」ものです。生きるか死ぬかの瀬戸際で、じっと闘っている彼らの姿を見ることは、飼育という行為を超越した悟りの境地にまで達しているかもしれません。
ショップなどで販売もしていますが、国産種を販売することにあまり良い印象を持っていない星野ですから、情報はパスです。頑張って探しに行きましょう!!
ほとんど冗談だけの内容になってしまいましたが、ま、仕方ないですね。
でも、みなさんだったらどうでしょう?
「夏に飼うと気持ちいい爬虫類」って言われたら何を押しますか?よかったら御意見をお聞かせ下さい!
とにかく、何事にも安請け合いはしないようにしましょう、というお手本でしたー。
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