日常の管理など

基本的な管理方法は他の両爬と同様に「給餌」、「掃除」、「水換え」くらいでしょう。

・給餌
給餌頻度は成体ならば2-3日に1回。コオロギを10匹程度ずつでいいでしょう。
ただし、その年に変態したばかりの幼ガエルは毎日与える必要があります。しかも非常に小さな餌しか食えませんので、ガンガン食わせて大きくしてあげた方が飼育が楽になります。

・掃除
両生類は皮膚が弱いので、できる限り飼育容器内は清潔に保ってあげましょう。
ヒキガエルは餌を食べてから数日後から遅いときで2週間後くらいに、非常に大きなフンをします。普段の掃除はこのフンを取り除くことと食べ残して死んでしまった餌昆虫の死骸除去です。見つけ次第取り除いてあげましょう。フンは結構大きくて固形状なので取り除きやすいです。

・水換え
水容器は床材に埋めてしまう場合もあるでしょうから、基本的にはそのまま新しい水を水容器に注いであふれさせてしまう方法でもいいでしょう。床材への給水にもなりますし。
ただし、水容器の中が濁りきってしまっている場合は、中でフンをしてしまった結果でしょうから、そういう時は汚水を捨てて水を交換してあげて下さい。

・その他
保温や照明は必要ありません。飼育容器の設置場所も特別な気遣いは不要ですが、できれば静かで昼でも薄暗くなるような場所に置いてあげたいものです。明るい場所に置くときも布をかけて半分くらいは暗くなる場所を作ってあげるといいでしょう。

また一つの容器で複数飼育することも可能ですが、それぞれの個体が均等に餌を摂っているか十分、注意しましょう。

また、飼育下での繁殖ですが、基本的には「無理」でしょう。
何しろ1万個の卵が最大で20mもの長さのひも状の卵嚢に入った状態で産むのですから。
件の私の友人も狭い水容器内に産卵させて繁殖させた経験を持っていますが、ほとんどの卵嚢は外に出てしまって干からびてしまったそうですし、受精率も非常に悪かったということです。

ヒキガエルの飼育における注意点

さて、ヒキガエルに限らず両爬飼育で大切なのは、いつも書いていることですが「とにかく観察をして、なるべく彼らの望んでいることを読みとって、それをしてあげる」そして「彼らに喜んでもらう」ことです。

先述しましたがヒキガエルは大変表情が豊かなカエルです。
もちろん、人間みたいに顔の表情を変えるわけではなく「仕草」や「動き」「態度」から「彼らの望んでいること」を「読みとる」ためのサインが、他の両爬よりはかなりわかりやすいということです。
こういうサインは実際に、飼育をしてみて理解をできることなのですが、いくつかの例をご紹介しましょう。

・「汗」をかいている
もちろん両生類に汗腺はありませんので汗をかくことはないのですが、どう見ても汗だくになっているように全身に水滴がついていることがあります。
これは「脱皮前」の徴候です。
落ち着いて脱皮できるようにそっとしておきましょう。
ちなみに脱皮は口で皮を食べながら引っ張って行います。

また他にも「悪いモノを吐こうとしている」「排便しようとしている」「重大なケガをしていたり具合が悪い」ということもあります。

・「しゃっくり」をしている
悪いモノを食べてしまったときは、だいたい自分で吐き出します。
こういう時は人間で言うところの「しゃっくり」のような動きをします。時間はかかりますが、吐き出すまでそっとしておきましょう。

・土に半分潜っている
体の大部分を土に埋めて顔だけ出しているような場合は、「寒い」または「暑い」時です。冬ならば冬眠に進めてあげましょう。
また夏の場合は涼しいところに場所を置き換えたり、水を撒いてあげるといいでしょう。

・水場に入っている
ヒキガエルは、普段はあまり水場に入っていません。そんなヒキガエルが水場に浸かっているときは「湿度不足」あるいは「排便」の時です。
湿度不足ならばもちろん床材に水を加えて湿度を上げます。
排便はもちろん、そのままさせてあげればいいのですが、その後は水場がかなり汚れますので、すぐに水を取り替えてあげましょう。

飼育のコツ

さて、私の友人からのヒキガエル飼育の楽しみを何倍にも充実させるための最大のコツをアドバイスしていただきました。

それは
なるべく、ペットとして飼育する
ことだそうです。
友人が言うには、単なる生き物を飼育している感覚ではなく、愛玩用あるいはコンパニオンアニマルとして飼育を楽しめる、ということです。
特にヒキガエルは「慣れる」のではなく「馴れる」というのが飼育してみての実感で、手をかけてやればやるほど「馴れる」動物だそうです。
私も、ちょっと普段のスタンスを変えて、うちにいるヒキガエルにはなるべく手をかけ、声をかけて飼育するように心がけていますし。

あー、でもこういう事を書いているとこれを読んだ生徒たちとかから言われちゃうんだよなー。
「やっぱり家のカエルやらヘビやらに話しかけているんですね?」
って。
名を「九太郎」という
我が家のアズマヒキガエル

最後に

もちろん、ヒキガエルも「カエルのツボカビ症」に感染します。
一般の方のように、単に屋外で捕まえた健康なカエルを一匹だけ飼育しているような場合ならリスクは少ないのですが、他の海外から輸入されてきた生き物(両爬に限らず観賞魚も含む)を飼育していたりする場合はツボカビのリスクは否定できません。

また、例えヒキガエル一匹の飼育でもペットショップから餌を購入しているような場合ならツボカビが混じってくる事も十分に考えられます。
ですから、ヒキガエルに限らないのですが、飼育し始めたら最後まで飼育を続けるようにして下さい。決して、それがもといた生息地でも、自然に返すことはやめましょう。

ツボカビに関しては以下のリンク先の記事をお読み下さい。
<ツボカビ関連記事>
カエルツボカビ症 from All About両爬ガイド
カエルツボカビ症対策・後編「日本のカエルを守るために」 from All About両爬ガイド
カエルツボカビ症対策・前編「診断と治療」 from All About両爬ガイド
カエルツボカビ症対策・中編「検疫と消毒」 from All About両爬ガイド

<関連記事>
アマガエルの飼い方
カジカガエルの飼い方
オタマジャクシの飼い方

<参考サイト>
びっきぃとやまどじょう

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。