ヒョウモンガメの基本情報
ヒョウモンガメ
ケヅメリクガメと並んでアフリカを代表する、ポピュラーなリクガメです。
一般的には分布域の南西部に生息する基亜種ナミビアヒョウモンGeochelone pardalis pardalis とそれ以外に広く分布するバブコックヒョウモンG. p. babcocki の2亜種に分けらることが多いです。ただし、地域変異の範疇であるとされることもあり、学術関係では亜種はないとされることが多いようです。ナミビアヒョウモンはバブコックヒョウモンに比べ、背甲の上部が扁平になりあまりドーム状に盛り上がらないこと、四肢に小さな黒い斑紋が散在すること、などによって見分けることができると言われています。写真の個体はバブコックヒョウモンと思われます。
背甲はドーム状に盛り上がっており、背甲の地色は黄褐色で幼体時には各甲板には成長線に沿って黒色の斑紋が中心部を囲っています。また各甲板の継ぎ目は薄い色になっている場合が多いようです。成体になると、名前からわかるように小さな黒色斑が無数に入りますが、この斑紋の入り方は個体差が大きくさまざまです。
生息域は、2900mまでの乾燥したサバンナの草原や散在する林で、他のリクガメ同様に温度の高い日中はブッシュに隠れており朝方や日没直後に活発に行動をしています。
完全な植物食性で、草や落下した果実などさまざまなものを食べています。ただし、生息環境に生えている植物でも選んで食べている傾向があるようで、研究によると生息地に生えている70種の植物のうち38種ほどしか利用していないそうです。
5-10月にかけて、3週間おきに5-7クラッチほど産卵を行います。1クラッチ当たりの産卵数は5-30個程度で、深さ10-30cmほどの穴の中に産み落とします。卵は36-44×40-52で球形に近い形をしています。卵は通常で28-31℃の温度ならば130-180日程度で孵化しますが、それよりも低い温度になると1年以上もかかることがあり、孵化までに実に485日を要した例があるそうです。孵化した幼体は45-55mmほどの背甲長です。
日本でも人気があるリクガメですが、やはり日本の気候に馴染みにくいことや非常に大きくなることなどから考えると、安易に飼育をすることを勧めることができない種類と言えるでしょう。よく言われることですが、最終的なサイズを考え、最期まで飼育を継続できるかをよく考えて購入したい種類です。
CITES(ワシントン条約)の付属書II類掲載種
赤っ恥をかかない程度の知識- 普通に流通するのはバブコックヒョウモン
- アフリカ東南部が分布域
- ケヅメリクガメに次ぐ大きさの巨ガメ
- 植物食性
ヒョウモンガメの飼育方法
飼育の基本情報〈飼育容器〉
幼体は60~90cmクラスの水槽や衣装ケースなど。成体は最終的に部屋での放し飼いや屋外飼育。
〈温度〉
一般的なリクガメ飼育よりも高温に設定する。28~32℃を基本の温度とし、38℃程度のホットスポットを準備してケージ内に温度の勾配を作る。シートヒーターなどで底面からの加温も必要。
〈照明〉
紫外線入りの爬虫類用蛍光灯など
〈床材〉
乾燥状態を維持できるもの。誤食に注意すれば新聞紙でもよい。
容器内レイアウト シェルターを常設する
〈餌〉
植物食。低タンパク高カルシウムの野菜・野草など
〈基本的な世話〉
- 一般のリクガメ飼育の通り。特に
- 幼体時の低温に注意
- 低温の空気に注意
- 高タンパクの餌の揚げすぎに注意
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