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2007年を振り返る、最新液晶テレビ採点簿(3ページ目)

2008年開幕にふさわしく、テレビの花形である40V型~50V型の各社新製品の比較視聴記をお届けしましょう。まず、液晶方式から。主要各社がしのぎを削る文字通りのデジタルテレビ激戦区です。

大橋 伸太郎

執筆者:大橋 伸太郎

テレビガイド

BRAVIAの中間グレードがVシリーズ。
搭載回路が簡素化された影響は?

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上位機種Wシリーズと共通のシンプルなアートフレームデザインはアルミ風ヘアライン仕上げ。ガイドはファンシーなXシリーズよりこっちが好きです

全てフルハイビジョン! BRAVIA第3章始まる」という記事で紹介したように、ソニーの液晶方式テレビBRAVIAには、X、W、V、Jの4ラインが用意されています。「KDL-46V5000」は、その中間グレードにあたるVシリーズのテレビになります。

サムスンと共同生産するS-LCDパネルはきめ細かく色再現範囲が広い10bitで広視野角は上位機と共通ですが、24コマなどに対応する「モーションフロー」が搭載されません。また、映像エンジンはX、Wが「ブラビアエンジンプロ」に対して、「ブラビアエンジンEX」にグレードダウンします。

ソニーのテレビというとブラウン管時代にイメージが出来上がっていて、それは、解像感が豊かでシャープ、コントラストが広く、白がやや青みがかったプロっぽい映像というところでしょう。

「KDL-46V5000」はそんなイメージを髣髴させる、ソニーらしい端正でシャープな映像です。調整項目は上位機に比べるとさほど多くはありませんが、可変範囲が広く好みの方向へ画質を作っていけるのがいかにもソニー。ライブカラーのオン/オフ、カラースペースのワイド/スタンダードで画質は大きく変わります。

『未知との遭遇』のUFO出現シーンは、UFOのイルミネーションや交信基地の照明が膨張せず輪郭がすっきりシャープです。光の管理の巧みさを印象付けます。『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』は繊細な色再現と、細やかなディテールに息を呑みます。このあたりはいかにもソニーらしいのです。

動画解像度は今回見た製品の平均レベルというところでしょう。

サウンドは3モードあり、「カスタム」でテレビ内蔵のスピーカーでサラウンド効果を楽しめるソニー独自の「S Force」が選べます。搭載のデジタルチューナーの画質はBS102のメトロポリタンオペラの『セビリャの理髪師』を見ました。ここでも舞台の光線の自然さが光る。DVDで見るスケーラーの性能も良好です。

・画質総合       ★★★☆
・動画対応       ★★★
・機能、パッケージング ★★★
*★=1点、☆=0.5点


ソニーBRAVIAの最上位グレードがXシリーズ。
「プロフィールプロの再来」という評価に偽りはなし!?

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プラズマテレビを手掛けた頃から継続中の画面周りを透明なアクリルパネルが取り囲む、「フローティングデザイン」がXシリーズのID。しかも本体色は6色から選べる

BRAVIAの最上位グレードがXシリーズです。視聴したのは「KDL-46X5000」。ベゼルの周囲に透明なアクリルを配したファンシーな「フローティングデザイン」のせいか、V5000と同一サイズには見えません。

ソニーファンが溜飲を下げるフラグシップらしいこだわった内容で世界的に評価の高い製品です。60Hzを120Hzに、フィルムソースの24コマを120コマに変換する「モーションフロー」と「ブラビアエンジンPRO」の2大機能を搭載しています。

ネットの動画を見られる「アプリキャスト」、HDMIのCEC機能で他機器をコントロールする「ブラビアリンク」は全グレード共通です。

『未知との遭遇』では、フィルムらしさを狙って「明るさ」を下げていくと画面に神秘的な夜空の黒が現れます。「漆黒」とまでいわないがそれに近いのです。液晶方式にはバックライトというハンデがあるわけですが、最早それを感じさせない映像です(今回の試聴環境はダウンライト白熱灯下で50ルクスくらい)色かぶりも今回の液晶方式の中で最も少ないようです。

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』は、シャープな解像感とシックで落ち着いた映像美が両立、液晶方式もここまで来たんだなと感慨を呼ぶ高画質です。この映画に関して今回のすべての液晶テレビ中でもっとも優れています。

期待した動画解像度はV5000とそれほどの差が認められませんでした。内蔵チューナーの画質は、BShiの「風林火山」でチェックしましたが、コントラスト、鮮鋭度がいま一つ。480で入力したDVD『LOVE LETTER』の映像は、V5000より明らかに上で白の輝き感や、逆光撮影、半逆光撮影のトーンは今回最高でした。

・画質総合       ★★★☆
・動画対応       ★★★☆
・機能、パッケージング ★★★☆
*★=1点、☆=0.5点


世界中からメーカーが参入し激戦区の液晶方式。日常使いのカジュアルなテレビから、画質にこだわった高性能機まで多種多様、消費の牽引車の観さえあります。

テレビメーカーのほぼ全社が手掛けていますので、ブランドごとにポリシーと個性がうかがえることがポイント。

ブラウン管時代から自社でデバイスを生産せず、注文品から高い性能を引き出すビクターにはモノ作りの「匠」性が光ります。三菱なら、ベゼルの細いシャープなデザインとちょっとマニアライクな画質に所有する喜びがあります。テレビジョンの世界的ブランドにふさわしい緻密な映像が帰ってきたソニーには、X、W、V、Jの4シリーズから選べるメリットがあります。

今回紹介した製品は、ガイドが実際に視聴して性能に太鼓判を押せる製品ばかりです。あなたとフィーリングが一致した製品を選べばノープロブレムです。

【関連記事】
2007年を振り返る、最新プラズマテレビ採点簿

【関連リンク】
・ビクター 「LT-47LH805
・三菱 REAL 「LCD-H46MZW75
・ソニー BRAVIA 「KDL-46V5000
・ソニー BRAVIA 「KDL-46V5000
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