今年の液晶テレビはどうだった?
花形46~50V型の各社新製品インプレッション

2007年ももう終わろうとしています。薄型テレビの世界は、液晶方式はフルハイビジョンの低価格化が進み、プラズマ方式は映画画質にこだわった新境地を垣間見せてくれました。

かつては、中型サイズで高精細が得られる液晶に対し、大画面を手に入れやすいプラズマ、という対比でかつては両方式が語られてきましたが、今では液晶方式の大画面化によって単純にそうは言えなくなりました。

どちらの方式を選ぶべきか、頭を悩ましている方はきっと多いでしょう。液晶方式とプラズマ方式にはそれぞれよさがあります。どちらがあなたにふさわしいかは技術の問題でなく、「液晶、プラズマ、あなたはどっちを選ぶ?」という記事でも書いたように、あなたのライフスタイルで決まります。

今回と次回の記事で、2007年の両方式の製品の総決算を試みてみたいと思います。液晶方式とプラズマ方式がフルハイビジョンであいまみえる唯一のサイズが40V型後半です。これ以上のサイズになると販売価格の面からプラズマ方式中心になり、これ以下のサイズではフルハイビジョンは、パナソニック以外は液晶方式に限定されます。

それではテレビの花形である40V型~50V型の各社新製品の比較視聴記をお届けします。まず、液晶方式の4製品の紹介から始めましょう。

巧みなチューニングと画質の作りこみが光る。
動画ボケの改善で液晶方式をリードする、ビクター「LT-47LH805」

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三菱ほどでないが、従来より約20%ベゼルを細くした「エアリーフレームデザイン」。搭載パネルはIPSの10bit。倍速120Hz駆動と両立させたのはビクターが最初。ブラウン管時代からデバイスの性能を高度に引き出すことが得意なメーカーだ

ビクターは、かつてはプラズマを手掛けていましたが、現在の主力は液晶方式です。

「LT-47LH805」は10bitフルハイビジョン倍速液晶IPSパネルを搭載したトップ機種。これ以上のサイズは同社独自のD-ILA方式を使ったプロジェクションテレビになります。

従来の液晶パネルはすべて8bit表示でした。そして液晶の画作りに欠かせない「ホールド効果」の功罪として、動画がボケやすい欠点がありました。

それが8bitから10bitへ変わり、よりきめ細かい階調と色再現ができるようになり、従来の60Hzを2倍の周波数で動かすことで、動画のボケを解消できるようになりました。

この10bitと120Hz駆動の両方を実現したのはビクターが最初で、動画に強いという定評があります。高画質エンジンは、CPU搭載映像処理専用LSI「倍速GENESSA」を使用。これは倍速インテリジェントγ、新カラークリエーション、倍速インテリジェントクリアから構成されています。

サウンドにも凝っています。倍音成分から演算し低域を増強する「MaxxAudio」、視聴環境、プログラムから映像と音質を自動調整する「明/暗ボタン」を搭載、HDMI Ver.1.3に準拠しているので、HDMIの相互通信を使ってレコーダーやオーディオ機器と電源連動させるCEC機能などにも対応しています。

映画系映像モードは三種類用意されていて、「シネマ」はバックライトの設定が明るく色乗りのよい濃厚な画質です。「シネマクール」はやや暗くなるが大半の映画でバランスのいい画質を楽しめます。「シネマウォーム」はブライトネスが上がり、黒浮きしコントラストが浅くなってしまいます。

液晶方式の動画ボケに最初に「倍速駆動」という改善の道を示したメーカーだけに、さすがに動画解像度が取れています。ソフト毎にきめ細かく調整してやるとすごくいい画質のテレビです。

480pのDVDを1080pの映像に変えてハイビジョンに準じる画質にグレードアップする回路(スケーラー)の画質がいいのも特長。今回見た液晶全製品のベストかもしれません。BShiはS/Nがよくハイコントラストで鮮鋭感主体の画作りでやや輪郭強調が強いようです。

・画質総合       ★★★☆
・動画対応       ★★★☆
・機能、パッケージング ★★★
*★=1点、☆=0.5点

次ページでは、三菱のベゼルを細くしたスマートなテレビについて紹介します。