前回は、信州蕎麦の歴史や、その背景にあった事情などのお話をしながら、北信の蕎麦集落をいくつかめぐりました。今回は、その続き。野沢温泉を出発し、さらに北へ向かいます。
北信には、まだまだ魅力的な蕎麦集落が!
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前回ご紹介した富倉集落と似た雰囲気を持つ、涌井集落 |
まず、訪れたのは、前回ご紹介した、
須賀川地区や富倉集落のすぐ近く、中野市・涌井集落。今回は自家栽培の玄蕎麦を石臼・手挽きで自家製粉、手打ちした蕎麦を楽しめる
「手打ちそば みゆき」へお邪魔した。こちらの涌井蕎麦のつなぎは小麦粉2割。わりとオーソドックスな蕎麦だが、そば粉の香りが高く、なかなかの味。
前回ご紹介したオヤマボクチをつなぎにした蕎麦との味の違いを楽しむのも一興だ。
カリスマ農家がうつ霧下蕎麦の味は?
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「仁の蔵」の「霧下蕎麦」。カリスマ農家が作る蕎麦の味やいかに? |
また、このあたりは「霧下蕎麦(きりしたそば)」の里として有名な場所。実は、信濃町仁乃蔵(にのくら)地区には蕎麦のカリスマ農家がいる。それが石川広之さん。石川さんは、平成13年度全国そば生産優良地区表彰で農林水産大臣賞を受賞した有名な農家。新そばの時期になると、競うように全国からそば屋の主人が訪ねてくる。そんな貴重な蕎麦を食べられるのが、石川さんが組合長をつとめる生産組合直営店
「仁の蔵(にのくら)」だ。
次のページでは、有名な「あの」蕎麦が登場します。