和の食材は決して表に出ない裏の立役者

スカンピ・スリーウェイ
スカンピ・スリーウェイ(Scampi Three Way)。(左から)スカンピのパンチェッタ包み、スカンピの海水&レモン入りオリーブオイル漬け、スカンピの西京味噌&パッションフルーツ添え

オーシャン・トラウトのコンフィ
レストランでも人気のメニュー、オーシャン・トラウトのコンフィ
今回のサミットで、まず始めに作ってくれたのはレストランの看板メニューでもある“オーシャン・トラウトのコンフィ”でした。タスマニア産のオーシャン・トラウトは、肉質が甘く豊かな風味を持つのが特徴。オリーブオイルとグレープシードオイルを半分ずつ浸したトレイに並べ、60度のオーブンで20~25分間加熱して、生のようで生ではない独特の食感に仕上げます。

実はオーシャン・トラウトの上に乗っているのは、塩昆布を刻んだものですが、一度食べただけではそれとわかりません。また、調味には醤油も使いますが、その味は決して表に出てきません。塩の一種、旨味として利用しているそうです。添えるワサビも茎の部分を使うことで風味を抑えるなど、日本の食材を使いながらも、それらの味は前面に出さないのが和久田氏らしいアプローチです。

会場で驚きの声が多かった料理といえば、“スカンピ・スリーウェイ”。スカンピ(手長エビ)を3種の調理法で仕上げたものを一皿にのせて供する料理なのですが、目を引くのが中央に置かれた“スカンピの海水&レモン入りオリーブオイル漬け”。ショットグラスに海水とオリーブオイルを入れ、そこに串に刺したスカンピを入れます。実に簡単な料理ですが、食べるまでは海水でマリネされ、食べようと引き出したときに上部に分離したオリーブオイルと上に乗せたレモンに適度に絡む。その仕掛けがなんともユニークです。

上質の素材の持ち味を見事な手法で最大限に引き出す和久田氏の料理。自然の滋味とほのかな驚きがテーブルを優しく包んでくれるでしょう。



世界料理サミットではこのほかにも、ジョエル・ロブション氏など多くのシェフがデモンストレーションをおこないました。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。