2009/2/9~11まで東京で開催された世界料理サミット。前回紹介したエル・ブリ(エル・ブジ)のフェラン・アドリア氏をはじめ、グルメなら垂涎の料理を作る世界のトップシェフがその腕を披露しました。そのなかには世界ベスト10に数えられるオーストラリアのレストラン、テツヤズ(Tetsuya's)のシェフ、和久田哲也氏の姿もありました。

世界トップ10に輝くシドニーの名店、テツヤズ(Tetsuya’s)

和久田哲也氏
「最近日本語を話していなけど……」と言いながらも流暢な日本語で説明してくれた和久田哲也氏

和久田哲也氏
Tetusya’sは、現地のグルメガイドで最高点(3ハット)を18年連続受賞している
イギリスの外食専門誌『レストランマガジン』において、2005年から毎年トップ10入りを果たしているシドニーの人気レストラン、テツヤズ(Tetsuya's)。オーストラリアのみならず、世界中から人々が訪れるため、予約は半年先までいっぱいという人気ぶり。シドニーでは珍しい広大な敷地に建つ一軒家で、夜は美しい日本庭園がエキゾチックにライトアップされます。

兼高かおるさんに憧れた和久田氏が、オーストラリアに行こうと思ったのは22歳のときだったといいます。レストランで働きはじめた動機は、語学も身につくうえに給料ももらえるから。そんな経歴も公にしてしまうざっくばらんな人柄が好印象でした。ほんの思いつきからスタートしたシェフ人生ですが、いまや押すに押されぬ一流の料理人。気取るところがまったくない穏やかなシェフの笑顔も、料理を引き立てる名スパイスかもしれません。

和久田哲也氏の料理
チキンのソースにはレバーのミンチも隠し味に。レバーが苦手な人が拒否反応を示すので、あえて伝えないがわかる人はいないそう
和久田氏の料理は基本的にフレンチ。けれど、海外の方の目には日本料理に映ることも少なくないそうです。たしかにフレンチをベースにしながらも、食材やレシピには和のテイストを感じる部分も多い。その斬新なバランスこそが、多くの人を惹きつける理由なのでしょう。しかし和久田氏は、
「あえて変わったものを作っているつもりはない」
と言い切ります。
「大切にしているのは、素材の持ち味をどう引き出すかということ。新鮮で高品質な食材を選び、それにあった火の入れ方、調理を考えていくだけ」
と目指すものは実にシンプル。

そうはいっても、やはり一般の人からみたら、ハッと驚くようなアイディアが随所に散りばめられた料理ばかりなんですよ。