地上と味が変わるのはナゼ?
ルフトハンザの機内食も手がけるグランド・ハイアット東京のジョセフ・ブデ総料理長がミーティングで供した一皿。平目のソテーとドイツの旬の味覚・ホワイトアスパラガス。繊細で香り高いリースリング(Graacher Domprobst 2005)と共に |
ジョセフ・ブデ総料理長 |
そうした味覚の変化はもちろん料理だけの話ではありません。ワイン選びにおいても、地上との環境の違いを意識する必要があります。モネゴ氏いわく「機内は気圧が低く、常に多少揺れています。体は無意識のうちに緊張してエネルギーを消費し、甘いものを欲しやすくなります」。湿度が低い機内では渋みや酸味を感じやすく、すこし甘味のあるワインがおすすめだそう。とくに長時間のフライトでは、乾燥を和らげ、エネルギー(果糖)を補給する効果も期待できます。ただ、機内ではアルコールのまわりも早いのでご注意を。
機内ワインのテイスティングは地上で行われていますが、当然こうした条件を考慮に入れています。世界中を駆け回るモネゴ氏だけに、「実際に機内で自分の選んだワインの味を確かめる機会も多い」と言い、的確なセレクションへの自信をのぞかせていました。
高度1万メートルという非日常空間で、地上と同じような美味しさを感じられるのは、まさに緻密な計算と努力の結果。ますます進化する空の上のレストランで、ぜひ選りすぐりのワインと料理のマリアージュを心ゆくまで楽しんでみてください。
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