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素朴でユニークなフィジーのグルメ事情(2ページ目)

南太平洋で見つけた底抜けに明るい本物のパラダイス、フィジー。陽気で食べることが大好きなフィジーの人たちは、そのグルメ事情もかなりユニーク! 今回はフィジーのおいしい情報をたっぷりお届けします。

古屋 江美子

執筆者:古屋 江美子

旅行ガイド

フィジアンがお酒よりもこよなく愛するカバ

カバの儀式
カバの儀式を体験させてくれるリゾートホテルも。ソフィテル・フィジー・リゾート&スパでは毎週木曜日に実施
ビーチリゾートに来ると飲みたくなるのはやっぱりビール。フィジーにもスッキリした喉越しのFiji GoldやコクのあるFiji Bitterなどの地ビールがあります。とあるフィジアンにふと「フィジーの人もやっぱりビール好きなんですよね?」と聞いてみると「うーん、まあ飲みますけど……。やっぱりカバですね。カバ」そう言って彼はニカッと笑いました。

「カバを飲み始めたら、2時や3時まで飲んでしまうよ」と彼。そう、カバとはフィジアンがお酒よりも愛するもの。アルコールではありませんが、なんだかほろ酔い気分になれる不思議な飲み物です。アルコールと違うのは気分を高揚させるのではなく、むしろ沈静作用があるということ。

メケ・ショー
まさに泥水のような色をしているカバ。これをみんなでまわし飲む
カバは胡椒科に属する木。その根を乾燥させて粉末にし、布袋にいれて水にもみこんで味を出していきます。見た目は泥水のようで、お世辞にもおいしそうには見えません。ところが味はどうかというと、これが意外といけます。生姜に似た風味で舌にピリピリと刺激を感じるため、そんなに多く飲めるものではないと思いますが。

カジュアルな場でも正式なセレモニーでも飲まれているカバ。まだフィジーに来て間もないというソフィテル・フィジー・リゾート&スパの日本人スタッフ、臼井寿実さんも、「近いうちに村の代表者のところに挨拶に行って、カバの儀式をしなくては」と言っていたほど、フィジアンたちにとってカバは日常的なものです。

一応カバには正式な飲み方があります。まず2回手をたたいて(1回の場合もあり)、「ブラ」と言いながらカバを受けとります。ホスト役の人が1回手をたたいたら、一口で飲み干して、3回手をたたき、「ヴィナカ(ありがとうの意)」とお礼を言います。これが一連の流れですが、ホテルで飲むような場合にはそれほど堅苦しく考えなくても大丈夫です。


ラストの歌にも感動! 伝統の踊り、メケ・ショー

メケ・ショー
メケ・ショー。男性の踊りは戦いの様子を再現したかなり激しいもの

メケ・ショー
まったりした動きの女性の踊り
ソフィテル・フィジー・リゾート&スパでは、カバの儀式と同時にメケ・ショーを楽しむことができます。メケとは歌と踊りで構成されるフィジーの伝統芸能。男性と女性が別々のグループにわかれて踊ります。男性の踊りはヤリなどを持って飛んだり跳ねたりする激しいものですが、女性の踊りはテンポもゆっくりでおだやかなもの。その対比がまたおもしろいところです。

またショーの最後にはIsa Lei(イサ・レイ)という伝わる別れの歌を歌ってくれるのですが、これがかなり感動的。腹の底から出している迫力の声が男女のパートごとに美しくハモります。ショーの終わりがちょうど夕暮れ時ということもあって、みんなちょっと感傷的な気分で聞き入ってしまいます。

カバやメケといったフィジーの伝統的な文化。それを気軽に、しかも無料で楽しめるというのは旅行者にとっては嬉しいことですね。

次のページでは、意外な(?)フィジーの名物料理をご紹介します。
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