ポイントは最低ラインと最高ライン
大きな変更点について紹介しましたが、実はサプリを利用するときに知っておきたい基準値も少し変更されています。変更箇所も含めて、ダイエットやサプリ利用時に知っておきたい基準値の意味を確認しておきましょう。前提条件として、食事摂取基準は健康な人を対象としています。食事指導・制限の必要ない軽度の生活習慣病までは対象となりますが、それ以上の病気の場合は、個別対応は必要になることもあるので、栄養士さんに相談してみましょう。
また、「エネルギーや栄養素の本当に望ましい摂取量は個人によって違っているし、同じ人でも日によって違ってくる」ということがあります。ですから、あくまでも「確率」として算定している値になります。
食事摂取基準の概念図:サプリの前に、数値の意味も、きちんと知っておきましょう。 |
(A)推定平均必要量(EAR)
この量であれば、50%の確率で不足のリスクがあるという基準値。
(B)推奨量(RDA)
この量であれば、2~3%の人に不足のリスクがある(97~98%の人に不足のリスクが無い)という基準値。昔の栄養基準では「所要量」として設定されていた。
(C)目安量(AI)
推奨量が設定できない場合に用いられるもので、この量であれば、不足のリスクがほぼ無いという基準値。
(D)耐容上限量(UL)
2010年版で「上限量」から「耐容上限量」に名称が変更になった。
この量であれば、過剰のリスクがほぼ無いという基準値。この基準値を超えると過剰のリスクが増加する。過剰分を排泄できる栄養素については、基準値を設定していない。
(E)目標量(DG)
生活習慣病の予防など、特定の病気を予防するために設定された目標値。日本人の平均的な摂取量が少ない場合や、多すぎる場合に設定される。
これらの数値を基準に栄養管理をする場合、一つ一つの栄養素が(B)推奨量や(C)目安量から、(D)耐容上限量の間になるように調整します。具体的には、食べた栄養素のトータルを計算して基準に当てはめてみましょう。
サプリメントを摂る時は、「普段の食事の栄養+サプリメントに含まれている量」の合計がこの範囲に収まっていることを確認しておきます。普段の食事の栄養量は、栄養士さんに相談してみてもいいし、難しいようなら平均値(平成19年国民健康・栄養調査)を参考にしてみましょう。
ただ、「食事摂取基準の数値で厳密に管理しよう」とは考えないでくださいね。バランスだけを考えた食事では、食べることを楽しめなくなってしまいます。
食事摂取基準の解説でも、「1日単位で厳密に管理する必要はなく、1カ月単位で見て管理できれば良い」と言っています。平日は外食が多いなら、週末にリセットするくらいのつもりで、参考にしてみましょう。