サプリメント(栄養補助食品)としてのビタミンCの機能
右手と左手のように、形は同じだけど鏡に映したような光学異性体
合成で作られる栄養素の中には、光学異性体と呼ばれる「化学式の上では同じ成分だけど、体内ではうまく働いてくれない成分」が含まれている場合があります。栄養素によっては、光学異性体の影響で、含有量としてカウントされている栄養素の一部が体内で働いてくれないものもあります。
しかし、ビタミンCに関しては、専門的な知識が無くても大丈夫です。なぜなら、ビタミンCに関しては、サプリメント(栄養補助食品)に使用されている原料が合成でも、体内で働く分だけが含有量として表示されているからです。
合成で作られたビタミンCは、化学名の「アスコルビン酸」と呼ばれています。このアスコルビン酸には、2種類の光学異性体があって、1つがビタミンC(L-アスコルビン酸)、もう1つがエリソルビン酸(イソアスコルビン酸)です。エリソルビン酸は抗酸化物質としては使えますが、ビタミンCを補給する目的で添加物として使用することはできません。つまり、サプリメントにエリソルビン酸を入れても、ビタミンCとしてカウントすることができないのです。ですから、サプリメントに合成のビタミンCが使われていても、ビタミンC○mgと表示されているのは、体内で働いてくれる形のL-アスコルビン酸だけをカウントした量なのです。
ビタミンCサプリメントの機能を上手に使うコツ
マーマレードの苦味は、ヘスペリジンの味
「ビタミンCは水溶性だから、摂りすぎても尿と一緒に出るから大丈夫」なんて話聞いたことありませんか?実際、ビタミンCは水溶性で、必要以上に摂ってもすぐに排泄されてしまうため、摂り過ぎになる心配はほとんどありません。
摂りすぎの心配も無いのですが、逆に体に溜めておくことも難しいのです。合成のビタミンCのように、精製されたビタミンCが体内に留まる時間は、数時間といわれています。そのため、体の中のビタミンCを保っておくためにも、毎日摂り続けることが大切になるのです。
ビタミンCに効率よく働いてもらう1つ目の方法は、タイミングを調節する方法。ビタミンCが排泄されやすいのは仕方無いことなので、1日に何粒か摂るようなサプリの場合、 朝や夜にまとめて摂るのではなく、朝昼晩と分散させて摂るという方法がおすすめです。摂る時間を分散させることで、体のビタミンC濃度が高い時間を増 やすことができます。
次に、面倒くさいことが嫌い&できないという人は、製品を注意して選ぶ&多少のお金をかけることで解決する方法があります。それは、体に長く留まってくれる製品を選ぶということです。
貯めておけないビタミンCですが、これを体内に長く留めてくれる成分として注目されているのが、植物に含まれるポリフェノールの1種、ヘスペリジン(ビタミンPの一種)です。これは、柑橘類の皮や薄皮に多く含まれています。このヘスペリジンは、体内でビタミンCを安定させ、長時間抗酸化パワーを持続させてくれます。ですから、ビタミンCを単体ではなく、ビタミンCと一緒にヘスペリジンを始めとした抗酸化力の高いポリフェノールを摂れる製品を選べば、効率よく体を守ることができます。植物ポリフェノールも一緒に入っている天然由来のビタミンCや、合成のものにヘスペリジンを加えた物などを選んでみてください。
ミカンを外皮ごと食べるのは難しいかもしれませんが、ビタミンCのサプリメント(栄養補助食品)と一緒に、マーマレードや、ミカンを小袋やすじをとらずに食べてみるのも方法の1つです。
製品選びや摂り方を工夫して、ビタミンCを上手に摂りましょう。
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