音楽に関連するフランス語
音楽に関連するフランス語
<目次>
音楽を「する」ことが、音楽の「お祭り」
La Fête de la Musiqueの日には各地で音楽のイベントがおこなわれる |
「Faites de la musique, Fête de la Musique.」
(フェット ドゥ ラ ミュジック, フェット ドゥ ラ ミュジック)
フランス語初心者の方のために少し解説します。
さて、Faitesとは「する」という意味をもつ動詞Faire(フェール)の命令形です。日常会話で頻繁に使われる最重要動詞の一つですので、活用もチェックしておきましょう。
Je fais (ジュ フェ)
Tu fais (テュ フェ)
Il (Elle) fait (イル フェ/エル フェ)
Nous faisons (ヌ フゾン)
Vous faites (ヴ フェット)
Ils (Elles) font (イル フォン/エル フォン)
注意点を二つ。フランス語の綴り字で、複合母音「ai」の読み方は通常「エ」となりますが、Nous faisonsのfaisonsは、「フェゾン」ではなく「フゾン」と発音します。また、通常Vousの活用は、動詞語尾が-ezとなりますが、faireの場合は語尾が-esとなります。動詞dire(ディール/言う)も同じパターンで、試験などにもよくでますのであわせて覚えておいてください。
命令形の作り方と部分冠詞の使用
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命令形をつくるには、二人称であるTu,Vousと一人称複数のNousにそれぞれ対応する動詞の3つの活用を利用します。通常er動詞であれば、命令形をつくる際にTuに対応する動詞の活用語尾のsをとるという作業が必要になるのですが、faireは不規則動詞ですので、そのままFais(~して), Faisons(~しよう), Faites(~してください/~して)という3つの命令形の形が完成します。
さらに、楽器を演奏したり、スポーツなどの活動を表す際にはfaireの後ろにfaire du piano(フエール デュ ピアノ/ピアノをひく), faire de la natation(フェール ドゥラ ナタシオン/水泳をする)のように部分冠詞をつけます。ということで、フレーズの最初にでてくる「Faites de la musique」は、「音楽を(演奏)して(ください)」という意味になります。
次に、後半のフレーズに関して解説しますと、Fête(フェット)とは、先ほどの動詞Faites(フェット)と同音で、「祝日」や「お祭り」の意味をもつ女性名詞です。続くde(ドゥ)は、英語のofにあたる「~の」という意味をもつ前置詞。また、la Musique(ラ ミュジック)が音楽を意味しますから、「Fête de la Musique」で「音楽祭」のこと。先ほどのフレーズは、同音異義語を用いた楽しい言葉遊びになっています。
Faire de la musiqueのいろんな意味を覚えよう!
今度は、「Faire de la musique」という言い回しについて、ちょっとお話しておきましょう。この表現は、「音楽を演奏する」、あるいはfaireという動詞がもともと「つくる」という意味をもっていますから、「作曲する」という意味ももちます。また、la musiqueの騒がしさを皮肉って、faire une réclamation(フェ-ル ユヌ レクラマシオン/抗議する)、faire une protestation bruyante(フェ-ル ユヌ プロテスタシオン ブリュイアント/うるさく文句を言う)などの意味を表すくだけた表現もありますので、あわせて覚えておくといいでしょう。
音符記号は見た目重視!
上段左より全音符、2分音符、4分音符。下段左より8分音符、16分音符、32分音符。 |
- ronde(ロンド/全音符)
- blanche(ブランシュ/2分音符)
- noire(ノワール/4分音符)
- croche(クロッシュ/8分音符)
- double croche(ドゥブル クロッシュ/16分音符)
- triple croche(トリプル クロッシュ/32分音符)
全音符のronde(ロンド)は女性名詞です。「丸」や「円」の意味をあらわす男性名詞rond(ロン)と混同しないようにしましょう。いずれにせよ、その丸っこい形からいって覚えやすい単語です。次のblanche(ブランシュ)は、「白い」という意味の形容詞blanc(ブラン)の女性形blancheと同じ形の女性名詞ですから、これも2分音符の形をみればそのまんまといえるでしょう。
さらに、noire(ノワール)と言えば「黒い」という意味の形容詞として覚えていらっしゃる方も多いでしょう。こちらも4分音符の見た目どおりです。ただし、「黒色」をあらわすのは男性名詞のnoir(ノワール)で、4分音符のnoireは女性名詞となります。
また、8分音符のcrocheに関しては、「鉤(かぎ)」や「フック」の意味をもつ男性名詞croc(クロ)やcrochet(クロシェ)や「ひっかける」という意味の動詞crocher(クロシェ)を連想される方も多いでしょう。double、tripleはそれぞれ「2倍」、「3倍」の意味。ちなみに、「鉤」がもう1本増える64分音符にはquadruple(カドルプリュ/4倍)が使われます。
休符記号で分数もマスターしよう!
上段左より全休符、2分休符、4分休符。下段左より8分休符、16分休符、32分休符 |
- pause(ポーズ/全休符)
- demi-pause(ドゥミ ポーズ/2分休符)
- soupir(スピール/4分休符)
- demi-soupir(ドゥミ スピール/8分休符)
- quart de soupir(カール ドゥ スピール/16分休符)
- huitième de soupir(ユイティエーム ドゥ スピール/32分休符)
また、soupirとは、もともと「ため息」などの深い吐息を示す男性名詞。quartが「4分の1」であることは、「six heures et quart」(シズール エ カール/6時15分)などの言い回しでご存知でしょう。huitièmeは「8分の1」。フランス語での分数のつくり方は、分母に序数を用い、8分の1ならun huitième、8分の3ならtrois huitièmesと分母も複数になるので気をつけてください。
音名と一緒に記号も覚えよう!
上段左よりト音記号、ヘ音記号。下段左よりシャープ、フラット、ナチュラル。 |
- clef(clé)de sol(クレ ドゥ ソル/ト音記号)
- clef(clé)de fa(クレ ドゥ ファ/へ音記号)
- dièse(ディエズ/シャープ)
- bémol(ベモル/フラット)
- bécarre(ベカル/ナチュラル)
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