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シュールなフレンチ・コメディBest 5!(4ページ目)

週刊アスキーとAll Aboutのコラボ企画「ランキング帝国」。フランス語ガイドが独断と偏見で、シュールなフレンチ・コメディBest 5を選びます。

越智 三起子

執筆者:越智 三起子

フランス語ガイド

第2位:社会問題に笑いでつっこみを入れる『メルシィ!人生』

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『メルシィ!人生』
正直なところ『メルシィ!人生』なるこの邦題が、作品の洗練度合いを大幅に損なっている感は否めないのですが、原題は『 Le Placard 』(ル プラカール)。もともとPlacard とは、フランス語でクローゼットを意味する単語ですが、英語の影響もあって、ホモセクシャルであることをカミングアウトした人たちのことを、homosexuels qui sortaient du placard(クローゼットから出てきたホモセクシャル)などと言ったりすることから来ているタイトルでしょうから、確かに邦題をつけるのは難しいのであります。

ということで、スト-リーはタイトルが暗示するように、家族にも捨てられ、リストラの憂き目にあいそうなさえない男が、自らのクビを白紙に戻すために「自分はゲイだ」と偽のカミングアウトをする話。主人公の勤務先は、なんとpréservatif(プレゼルヴァティフ/コンドーム)の会社ですから、ゲイの顧客も多く、カミングアウトした社員を簡単に解雇するわけにもいかない……。

監督は、今やフレンチ・コメディのカリスマと化したFrancis Veber(フランシス・ヴェベール)。大ヒット映画『La Cage aux Folles』(邦題:『Mr.レディ Mr.マダム』)の脚本を手掛けている彼だけに、こういうテーマはお手のものです。

リストラ・家庭崩壊・同性愛という現代社会の深刻な問題を、ほんわかとした笑いと共に提起してくれるヒューマンコメディ。主演はDaniel Auteuil(ダニエル・オートゥイユ)、脇を固めるのはその演技力が故にcaméléon(カメレオン)の異名をもつ Gérard Depardieu(ジェラ-ル・ドゥパルドュ)。この2人が演じる関係の中にもまた、男同士の「恋心」的要素をかいまみることができます。

また、先ほどの『シリアル・ラバー』で主役を演じたMichèle Laroqueもとっても魅力的な美人上司として登場。笑いに政治や社会問題がからむというのがフレンチ・コメディーの一つの特徴ですが、おそらくこのBest 5中では、一番見る人の好き嫌いが絡まない作品でしょう。フランス映画はちょっと……とおっしゃる方にもおススメの作品です。

次ページでは、気になる第1位を発表します。
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