第3位:『ル・ブレ』男同士の友情ドタバタコメディ

ble
『ル・ブレ』
この作品のパッケージを見て、多くの方が、「な~んだ!『TAXI』のパクり?」と思われるかもしれません。答えは、おそらく「oui」(ウイ/はい)。というよりも、正しくは、あらゆる娯楽映画の要素を徹底的に拝借して、笑いのコラージュムービーをつくってしまったという感があるのがこの『Le Boulet』(邦題:『ル・ブレ』)です。

フランス映画というと、男女の恋愛を描いたものが多いというイメージがありますが、こちらは、セクシーな男優として常に名前があがるGérard Lanvin(ジェラール・ランヴァン)演じるクールな囚人とお世辞にもセクシーとはいえない超人気コメディアンBenoît Poelvoorde(ブノワ・ポールヴールド)扮する看守との友情ドタバタロードムービー。

実はこのての「男同士の友情」ものはフランス映画の中でも結構古典的なテーマではありますが、感覚的には、「義理と人情」、「走れメロス!」みたいなのではなく、「それって、ひょっとして恋?」という感じのホモセクシャルスレスレのところで関係が描かれるというのが、メイド・イン・フランスの一つの特徴でありましょう。そうした意味では、確かにこの種の関係は「ルパン3世」に恋する「銭形警部」を連想させますから、本作品のDVD発売にあたってモンキーパンチ氏がデザインにかかわったという事実は、しごく真っ当に思えます。

アクション系が好きな方には、有名な巨大観覧車が転がるカーチェースシーン、「ありえね~」系がお好きな方には、腕立て伏せシーン。フランス語学習者には、砂漠で死にかけている2人が水を求めるシーンでの「gazeuze ou plate ?」(ガズーズ ウ プラット/ガス入りそれとも普通の?」などという、フランスのレストランでミネラルウォーターを頼んだときのおきまりの返答フレーズが笑えることでしょう。

くだらないお馬鹿ギャグとともに、おフランスらしい社会批判的ギャグも。映画『Le fabuleux destin d'Amélie Poulain』(邦題:『アメリ』)がお好きな方には、八百屋で働くダイアナ好きの気弱な青年Lucienを演じたJamel Debbouze(ジャメル・ドウブーズ)の憎たらしい変ぼうぶりもおススメです。

人によって好きなおもちゃが違うように、笑えるシーンが異なるであろういわば「笑いのおもちゃ箱」のような作品。「何度も見直す」という作品ではありませんが、浅薄なパクリものなのか、とっても奥深いスゴイ映画なのかよくわからないところが、なかなかシュールであなどれないのは確かです。

次ページでは、第2位を発表します。