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事業仕分けでビジネスキャリア検定廃止へ?!(2ページ目)

連日話題の政府の行政刷新会議。事業仕分けWGによってホワイトカラー向け検定試験制度「ビジネス・キャリア検定試験」もその標的に。「YESプログラム」とともに「廃止」との判断がくだされました。速報です。

いぬかい はづき

執筆者:いぬかい はづき

仕事に活かせる資格ガイド

廃止は妥当?!「ビジネス・キャリア検定試験」とは

「ビジネス・キャリア検定試験」の前身は、ホワイトカラー向け試験制度「ビジネス・キャリア」制度。

従来の制度は、所定の教育訓練修了者や実務経験者を対象に、教育訓練受講後の成果を認定することが目的でしたが、リニューアル後は、これを刷新。2007年8月1日からは、ビジネスパーソンを対象とした「公的資格試験」(能力評価試験)として、その名称も「ビジネス・キャリア検定試験」に変更されました。

試験は、8分野(人事・人材開発・労務管理、経理・財務管理、営業・マーケティング、生産管理、企業法務・総務、ロジスティクス、経営情報システム、経営戦略)につき、各々1級から3級のレベル別に分けて実施され、事務系の職業に必要な専門的知識について、単に専門知識を知っているか否かではなく、「実務に応用できるか」という視点から行われるのが特徴。そのため、出題内容も、企業事務に即した知識・能力が問われるものとなります。

試験は年2回、47各都道府県で実施。手数料は、以前の「ビジネス・キャリア制度」では1分野2,000円とリーズナブルだったのですが、「検定試験」になってからは、1級7,850円、2級5,250円、3級4,200円と民間検定並み(?)となりました。




ここ数年、厚生労働省の「職業能力評価基準」「YESプログラム」、経済産業省の「社会人基礎力」など、公の立場から、企業が求めるビジネススキルを明確化する動きが進んでいますが、この背景には、企業のニーズと応募者側のスキルとにミスマッチが生じることによって増加した離職者や失業者の問題があります。
こうしたミスマッチを防ぐために、企業の価値観や人事労務に関する能力要件(求人ニーズ)を明確化し、働く人と企業双方の共通認識とするもので、簡単に言うと「それぞれの業種、職種で必要とされる職業能力の共通の物差し」づくりが急務。ビジネスパーソンのスキルを客観的に評価することを目的とした、「ビジネス・キャリア検定試験」も、そのような流れの一環と言えるでしょう。

問題は、それが実際に企業側の評価とどれほど連結しているか、ということです。
今回の事業仕分けでどのようなデータが参照されたのか、詳しい資料が公表されていないのではっきりしたことはわかりませんが、少なくとも現在の雇用市場で「ビジネス・キャリア検定試験」による評価方法が普及していないのは確か。

ガイドの私見では、その試験内容から見て、就・転職に活用するというよりは、むしろビジネスパーソンが自分自身のスキルアップのために段階的にチャレンジしていくような利用方法が適しているようには思いますが、その割には、ビジネスパーソンの知名度もイマイチ。
ホワイトカラー分野の多岐にわたって試験が行なわれているため、かえって特徴がなく、似たような民間検定が多くある中では競争力不足なのかもしれません。

ただ、今回の仕分け人が指摘するような「社内の昇進・昇給を目標とするような事業は民間で」という考えには、ガイド個人は必ずしも賛成ではありません。
特定の民間資格や検定が、人材評価の指標として過度の影響力を持つことには懸念がありますし、また、最近の乱立状態で、資格・検定も競争時代に入り、安定した運営ができなくなる可能性も高くなります。そうなれば、被害を被るのは受験者。安定性、公平性、また受験料の抑制など、公的試験の魅力を最大限に活かせれば、存続意義も出てくるでしょう。

事業仕分けでは、ほかにも教員免許更新制度など、資格分野にかかわるものがちらほら。行方が気になりますね。
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