韓国語を活かせる仕事がしたい! 職業や就職先とは
アンニョンハセヨ?韓国語を活かして仕事がしてみたい、または、趣味として勉強しているけれど、このままで良いのか……そんなふうに考えている方はいらっしゃいませんか? 私も韓国語の学習は、最初は深く考えずに始めたのですが、学んでいくうちに「仕事に活かすことができないか」と思い悩むようになったものです。「韓国語を仕事に活かしたいけど、どうしたら……」。私が主催するI.K.Bridge韓国語講座で、受講生から多くの寄せられる相談事の一つです。そこで今回は、韓国語を仕事に活かすにあたって必要となる語学力や職種、仕事の探し方などを取り上げてみたいと思います。
<目次>
韓国語を使う仕事:求められる韓国語のレベル・就職に有利なのは?
韓国語を使って仕事、というと、上級者レベルでないといけないのではと思われがちです。もちろん、語学力はあることに越したことはありませんが、韓国・中国専門の人材派遣・紹介会社である(株)スターコーポレーションで紹介されている求人情報を見ると、「韓国語は日常会話レベル」という条件も珍しくありません。「日常会話レベル」というと、韓国語能力試験(S-TOPIK)の中級である3級や4級を取得できる程度と推測できます。このように、求人のほとんどに上級者レベルの語学力が求められているわけではないのですが、よく見てみると「営業の経験者」や「経理の経験者」、また「貿易事務の経験者」で若干の英語力も求められたりと、実務において専門性が要求される場合が少なくありません。まずは専門性を活かしてもらい、さらに周囲の韓国の方々と円滑な関係を築いて欲しい、というのが、企業側の要求なのでしょう。
よって、「韓国語を活かして仕事に就く」ことを考えるなら、まずは韓国語能力試験の中級以上を目指し、且つ自身の実務的な専門性を磨き、売っていくのが一つの道でしょう。
「語学力はまぁあるけれど、経験不足でこれといった専門性がない」、または「これまでとまったく違う分野にチャレンジしてみたい」という方もいらっしゃるかもしれません。その場合は「未経験でも歓迎」、というような求人を探し、あとは熱意と努力でコツコツと頑張っていきましょう。諦めないことが肝心です!
韓国語を使った仕事・職業は、種類がたくさん!
「韓国語で仕事」というと、どんな仕事に就けるのでしょう。それを考えるために、少し視点を変えてみましょう。皆さんの身の回りの「韓国」について考えてみてください。皆さんが普段手にするもの、見聞きするものの中に、「韓国」に関連したものはたくさんありますよね。例えば、「辛ラーメン」などの食品からK-POPのCD、韓国の情報サイト、韓国語の書籍、そして韓国旅行など……。皆さんの身の回りにあるということは、それを皆さんに届けている人々がいるということ。すなわち、その仕事に従事している人がいる、ということになります。
身近なものだけでもいろいろあるのですから、普段目が行かないようなところにも、「韓国」は無数に存在しているはずです。「仕事探し」というと、求人情報にばかり目が行きがちですが、人材派遣(紹介)会社に情報を載せない会社もあるでしょうし、自社のホームページでしか紹介していない、または、「つて」などを辿って採用をしている会社もあるでしょう。少し調べただけで「私にぴったりの仕事がない」と思わず、いろんな可能性を探ってみて欲しいですね。
ちなみに、私の友人・知人、当校の受講生の方々の就いている仕事は、ほんとうに様々です。一例を挙げると、やはり韓国なので、目立つのはIT関連。インターネットサイト運営会社、オンラインゲーム会社、携帯コンテンツ会社、ソフトウエア開発会社などなど。そして、韓国の有名な大手電機メーカーや半導体の会社、商船会社、貿易関連会社。
それから、食品会社、製薬会社、旅行会社、映画配給会社、韓流イベントなどを手がける会社や芸能プロダクション、出版社、新聞社、日本語学校や公務員の方もいらっしゃいます。挙げたら切りがありません。職種も管理職から営業職、事務職、経理担当、専属通訳、研究職やSE(システムエンジニア)など本当に様々です。
もともとその企業の社員で、韓国語が必要になったために韓国語を学んでいる方と、韓国語を学んでから語学力を活かして就職をされた方の比率はちょうど半々くらいかな、といったところです。ただ、IT関連の企業は比較的若い会社が多いので、後者のタイプが多い印象があります。
また、一企業に勤めるのであれば、大きく分けて「日本企業で韓国担当として働く」のと、「韓国企業で働く」、という選択肢があるでしょう。日本企業は、当然のことながら企業風土が日本式で違和感がない一方、韓国企業で働くとなると、企業風土も韓国となるので、その仕事の進め方などに日韓の違いを感じ、戸惑う方も少なくないようです。韓国企業で働くなら、そんな企業風土も是非念入りに調べておきましょう。
そして、外国語を扱う人々にとっての究極の仕事とも言える「通訳家」「翻訳家」ですが、企業に勤め、サラリーマンとしてその会社の専属の通訳になるという道と、フリーランスとなり技術一本で売っていく、という道があるでしょう。どちらにしても、流ちょうに外国語が操れるからといってすぐできる簡単な仕事ではありませんが、前者は扱う題材が限られているので、一定期間必死で頑張れば、ある程度のレベルには達するでしょう。
フリーランスとなる場合は、ありとあらゆる題材に対応できるよう、常に情報収集をし、持ち駒を増やしておく必要があります。フリーランスの通訳家について興味のある方は、以前の記事『憧れの仕事~通訳者・嵯峨山みな子さん』をご覧ください。
韓国語を活かせる仕事はどうやって探す? 大切な心構えとは
韓国関連の求人情報が出ているサイトには、以下のようなものがあります。KOFEC(駐日韓国企業連合会)
その他、大手の人材派遣・人材紹介会社でも、韓国関連の求人がたまに出るようです。まめに情報を入手したいものですね。
また、韓国も日本と同様「縁故」を大切にする国ですから、人から人への紹介、という形で人一人の仕事が決まっていくことが珍しくありません。よって、韓国関連の仕事に就きたい場合、まめに情報収集をすることはもちろんのこと、ありとあらゆる人に、自身が韓国関連の仕事に就きたいと思っているという意志を伝えてください。思いがけないところから話しが来て就職することになった……なんてケースは本当によくあることです。
それから、「韓国関連の仕事がなかなかない」とおっしゃる方が少なからずいらっしゃいますが、これは「ない」のではなく、「必死になって探していない」か、「選んでいる」のどちらかであることが多い気がします。もちろん、安売りはしないでいただきたいですが、決して「ない」わけではない、のですね。
私の韓国人の友人は、留学先の日本で就職をするにあたり、貿易業務の経験があったため、海運関連の業界紙に載っている企業70社に履歴書を送ったそうです。その中から面接の連絡をもらえたのは1社のみだったそうですが、無事その会社に就職することができました。こういった話を聞くと、韓国人のガッツに感心すると同時に、私たち日本人のハングリー精神の欠如を痛感せざるを得ません。
そして、一つお願いがあります。もしお勤めの会社で、「韓国語が話せる人、いない?」「○○さん、韓国語できるんでしょ?」 なんて、天からのお声が掛かったら躊躇せず「はい!」と答えてください。初級レベルなのに通訳をさせられるとか、明らかに実力とかけ離れたことをさせられるのでなければ、どんどんチャレンジして欲しいです。
日本人に多い「もっと上手くなったら勉強していることを上司に話そう」という姿勢だと、いつまでたってもチャンスは巡ってきません。ちょっとした失敗や後悔は、お持ちの韓国語能力を大いにアップさせるきっかけになります。
韓国関連の仕事のため……いまの仕事、辞められる?
「韓国関連の仕事に就きたいけれど、これまでの記事の内容にピンとくる話がない」という方は、現在の仕事にある程度満足している方、または様々な事情があり、辞める決心が付いていないという方かもしれません。意外と、このタイプがとても多い気がします。挑戦にはリスクがつきまといますので致し方ないことと言えましょう。では、どうしたら良いでしょう。「韓国関連の仕事に就きたいけれど、いまの会社を辞めることができない。けれど、韓国語をずっと趣味として勉強していくのは限界を感じる……」という方は、是非積極的にボランティアなどで韓国語を活用していってください。一例ですが、以下のようなボランティアがあります。
■「東京フリーガイド」
外国人旅行客の案内をするボランティアグループです。
※現在、年2回ほど人材募集していますが、韓国語の人材募集はないようです。ただ、時期によって募集内容は異なると思いますので、チェックしてみてください。
■東京都防災(語学)ボランティア
地震などの大きな災害のときに、日本語がわからなくて困っている外国人を助けるための語学ボランティアです。
その他、地域で外国人を助ける取り組みをしているところもあります。お住まいの地域の役所等に問い合わせてみてはいかがでしょうか。「韓国語で仕事をする」「人の役に立てる」……。大好きな韓国語で社会貢献ができるほど、幸せなことはありません。この世には様々な「仕事」があります。あなたの韓国語で誰かが笑顔になる、そんな「仕事」をしてみたいですね。
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