アンニョンハセヨ? 日本語話者として韓国語を習得してきた人にとって、韓国語の先生の仕事はこれまで学んできたことを活かせる仕事です。さらに、より多くの人に韓国・韓国語に関心を持ってもらい、好きになってもらえるやり甲斐ある仕事でもあります。

私は韓国語・中国語の学校を運営すると同時に、韓国語の先生として授業を行うこともあります。私が韓国語の先生になるために受けた養成課程のことや、韓国語の先生に必要な能力についての情報も合わせ、韓国語の先生になるにはどうすれば良いか、お話させていただきたいと思います。

【目次】
1. 就職先別の韓国語の先生のなり方:勉強方法・資格・給料
  高校で韓国語を教える
  大学で韓国語を教える
  専門学校で韓国語を教える
  民間の語学学校で韓国語を教える
2. 韓国政府公認資格
3. 日本語話者が韓国語の先生になるために必要な韓国語知識
4. 日本語話者の韓国語の先生の長所と短所


 

就職先別の韓国語の先生のなり方:勉強方法・必要な資格・給与 

 
生徒に韓国語を教える韓国語の先生

韓国語の先生は、韓国・韓国語を好きになってもらえる仕事



韓国語の先生といってもどこで教えるかによって、手段や方法は異なってきます。就職先として、どんな所に活躍の場があるか見てみましょう。

韓国語の先生の就職先としては、高校、大学、専門学校、民間の語学学校の4種類があります。
 
就職先 必要な資格 勉強方法 平均月収
高校 韓国語教員の資格 大学で韓国語を学び、一種免許状を取得 36万円(公立私立ともに)
大学(専任講師) 博士学位・研究実績 非常勤講師として経験を積みながら、論文を書く 45万円
大学(非常勤講師) 博士学位・研究実績 研究内容の専門性を高める 17万円
専門学校 学校に準ずる 通訳や翻訳などの現場でキャリアを積む 27万円
民間の語学学校 学校に準ずる 学校に準ずる 28万円
 
参考サイト:『文部科学省』『Career Garden』『給料BANK』『月給サーチ』『転職グッド』

 

高校で韓国語を教える

まずは高等学校。最近は、韓国語を学べる授業のある高校が増えてきています。K-POPに関心を持つ中高生の増加からニーズも高まり、授業も活気づいている様子。書籍『韓国語学習ジャーナル hana Vol.03』の特集『韓国語を教える!』には、以下のようなことが書かれています。
現状では、他教科の教員免許を持つ教員がさらに韓国語教員の資格を取得して掛け持ちするケースと、‘韓国語の教員免許を持つ’非常勤講師が受け持つケースがある

出典:『韓国語学習ジャーナル hana Vol.03』
 
特集記事内には具体的に韓国語教員の資格が取得できる大学などの教育機関が紹介されています。また、「高等学校韓国朝鮮語教育ネットワーク-JAKEHS(ジェイケーズ)」という組織があり、高校の教員でなくても、韓国語教育に関心のある人なら会員になれます。ちなみに、ガイドもこのサイトの会員です。このサイトでは、高校で韓国語を教えることについて、様々な情報収集、そして情報交換ができますので、参考になさってください。

高校で韓国語教育に携わることの意義は、10代の多感な時期を過ごす生徒に韓国を知ってもらい、韓国語に触れさせることができるという点ではないでしょうか。大学や民間の語学学校のように、生徒のやる気やモチベーションの維持をある程度本人に任せるような大人と大人の付き合いをするのではなく、がっつりと面倒を見ることが求められるので、義務教育に携わっているようなマインドが必要だと思います。生徒の韓国、韓国語への末永い関心を期待し、例えば韓国の高校との交流事業に携わったり、課外活動に取り組んだり、ということもあるでしょう。一方、生徒の中には消去法で韓国語を選択したため学習意欲がなかったり、部活動や受験勉強で疲れて寝ている、なんて生徒もいるかもしれません。それでも教育者として対処していくことが必要になります。

高校の韓国語の先生になるには
  • 必要資格:高校の韓国語教員免許
  • 資格取得方法:スクーリングが必要(現在、通信教育で韓国語教員免許を取得できる方法がない)
  • 給与:学校に準ずる(高校教員の平均月収は36万円)
  • やりがいポイント:10代の多感な時期に韓国・韓国語を知ってもらう等、生徒の国際交流のきっかけ作りができる。その反面、学習意欲の管理が必要。
  • 資格を取得できる大学:目白大学、大阪大学などの中学校・高等学校教員(その他の言語)の免許資格を取得することのできる大学
 

大学で韓国語を教える

次に大学で教える場合についてご紹介しましょう。
大学で韓国語を教えているのは主に‘専任講師’または‘非常勤講師、兼任講師’だ。(中略)大学で韓国語の専任講師を目指すには、一般的には‘博士学位取得者ないしそれと同等の研究実績を持つ’人が非常勤講師で経験を積みながら研究実績を挙げ、論文を書く。論文が認められればようやく専任講師の道への第一歩だ

出典:『韓国語学習ジャーナル hana Vol.03』
 
とあるように、アカデミックな機関だけに、当然のことながら学問に対する研鑽が欠かせません。
高校のように教員免許が必要なわけではないぶん、研究成果が重要になることが見て取れます。また、大学の場合はいわゆる外国語学部の韓国語学科など韓国語を専門としている学科か、もしくはまったく別の学部の一般教養の講師として教える場合かによっても働く環境や学生の様子はだいぶ違うでしょう。

大学で韓国語教育に携わることの意義は何なのでしょうか?まず、晴れて韓国語学科などに所属できた場合はトコトン自身の専門性を追求する研究現場に携われるという点が第一点。そしてもう一つは、ズバリ、最高教育機関で韓国語を教えているというステータスが感じられる点かもしれません。また、大学で韓国語を教えるにあたっては、指導教授などの紹介で職を得ているケースをよく見ます。

大学で韓国語の先生になるには
  • 必要資格:博士学位、研究実績
  • 資格取得方法:博士課程で論文を書く
  • 給与:学校に準ずる(専任講師の平均月収は45万円、非常勤講師の平均月収は17万円)
  • やりがいポイント:自身の専門性を追求する研究現場に携われる。最高教育機関で韓国語を教えているというステータスが感じられる。
  • 資格を取得できる大学:横浜国立大学、大阪大学などの大学院
 

専門学校で韓国語を教える

次に専門学校。専門学校の場合、大学と同様、生徒の大半は高校を卒業したばかりの若者です。
そして、大学で教えることとの大きな違いは、生徒の入学や就職まで面倒をみる必要が生じうる点です。私の周囲に専門学校で教えている韓国語の先生の知り合いが何名かいます。ある先生は日韓通訳科などで、日本語話者のみならず韓国からの韓国人留学生にも通訳技術を教授しています。他のある先生は、韓国語の先生としてカリキュラムを作成したり授業を受け持ったりするだけでなく、例えば専門学校のオープンキャンパス(入学に関心のある高校生などが親と一緒に学校を見学したり、説明を受けたりする機会)を取り仕切ったり、就職説明会を企画したりしています。

専門学校の先生になるには
  • 必要資格:学校に準ずる
  • 給与:学校に準ずる(専門学校の先生の平均月収は27万円)
  • やりがいポイント:生徒の入学や就職まで面倒をみる。
 

民間の語学学校で韓国語を教える

民間語学学校やカルチャーセンターなどで教える場合は、機関によって求める人材像も変わってくるでしょう。受講生の多くは韓国、韓国語に深い関心を持っていたり、仕事で必要だったりして望んで学びに来る方々なので、学習意欲が旺盛で、その意欲が教える側の励みになります。民間の語学学校で教える先生、経営者のための『ハンガンネット』という組織もあります。ガイドも会員かつ世話人を務めるこの『ハンガンネット』という組織は、先生のためのセミナーや経営者会議などを行っている団体です。『ハンガンネット』には韓国語教育に関心がある方や、携わりたいという思いを持つ方、経営者、運営者が参加できます。会員には週一回、日本語と韓国語のメールマガジンが配信されます。

専門学校や民間の語学学校で教えたい場合、通勤圏内にどんな学校があるのか、どんな特徴があるのか、自分の能力を活かせそうか、相性が良さそうか、そして求人募集があるかなどはインターネット等を用い、常にチェックしたり、周囲に情報提供を求めたりすると良いと思います。また、数は多くないようですが、インターナショナルスクールで韓国語を教えるニーズも少なからずあるようです。

民間の語学学校の韓国語の先生になるには
  • 必要資格:学校に準ずる
  • 給与:学校に準ずる ※語学学校の先生の平均月収は28万円
  • やりがいポイント:受講生の多くが学習意欲旺盛なので、励みになる。