韓国の絵本、3つの楽しみ方
日本語版『うんちしたのはだれよ!』(関口裕昭訳/偕成社)と読み比べる楽しさ(クリックするとアマゾンのHPにとびます) |
●日本語版と読み比べてみる
今回ご紹介した『うんちしたのはだれよ!』は、ドイツの絵本です。もちろん、ドイツ語と読む比べてみる……なんてこともできたら嬉しいですが、先ほどご紹介したように、日本でも翻訳本が出ていますので、日本語のものと読み比べてみても楽しいと思います。例えば、先ほどのページの私の日本語訳は、韓国語を重視し、ほぼ直訳していますが、日本の子供たち対象の絵本向けに翻訳をするとなると、そうはいきません。言葉ひとつの選び方や、漢字を使うかどうかなど、それは楽しく且つ大変な作業となるはずです。自分だったらどう翻訳するだろう……なんて考えながら読み進めてみると、とても楽しいはずです。
●絵本ならではの韓国語表現を楽しむ
この絵本の冒頭に「작은 두더지가 하루는」という文章がありました。この「하루는」の意味は「一日は」ではなく、「ある日」なのです。「ある日」という意味の韓国語には「어느 날」という表現もありますが、「하루는」の方が、絵本らしくかわいらしい感じがするとのこと。こんな表現に出会えるのも絵本の魅力の一つです。また、「뭉글뭉글하고……(ぬるぬるした)」という表現もご紹介しましたが、これのみならず、動物のうんちを形容した愉快な表現がたくさん登場します。このような擬音語・擬態語を机の上だけで覚えようとすると大変なこと。絵本の世界で接するからこそイメージもわきやすく、楽しく覚えられ、そして忘れにくいという好循環が生まれます。
●表現豊かに朗読してみる
韓国語の擬音語・擬態語は、その音感がとても愉快なのが特徴の一つ。それらをオーバーに朗読してみたり、小さなお子さんがいらっしゃる方は、読み聞かせてみてはいかがでしょう? 「私の発音じゃ、子供に悪影響」なんて思わないでくださいね。お母さんの懸命な姿は別の意味で子供に良い影響を与えるはず。それに、子供は意外と言葉が分からなくてもストレスを感じず、絵や音を楽しんだり、想像力を働かせたりするのだと思います。韓国語が「自分が勉強しているもの」という領域を超えて子育てに使えたら、それはまた新たな世界の始まりです。冒頭でも申し上げましたが、ちょっと寄り道してみることで視野が広がる、なんてこともあるかもしれません。ぜひご自身なりの楽しみ方を発見してみてくださいね!
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