アンニョンハセヨ? 以前、「韓国のお薦めベストセラー絵本~その1」という記事で『タルリム アンニョン(おつきさまこんばんは)』をご紹介したところ、「もっといろいろ読んでみたい」という韓国語学習者の方や、「子供に読んであげたい」という在日韓国人の方などからお便りを頂戴いたしました。감사합니다!(カムサハムニダ/ありがとうございます!)

勉強
『いぬのうんち』が韓国で40年間も読まれ続ける理由は?
そこで、今回ご紹介する韓国のベストセラー絵本は、『강아지똥(カンアジ トン/いぬのうんち)』(文:권정생(クォン・ジョンセン)、絵:정승각(チョン・スンガッ)、길벗어린이出版)です。この絵本は、1969年に出版され、以来多くの韓国の子供達に読まれてきました。

韓国で「犬」は、「犬野郎」「犬のような奴」などの悪口に出てくる、どちらかというと卑しい動物とされています。その「うんち」ですから、『いぬのうんち』が彷彿とさせるイメージは、韓国人にとって良いものではありません。そんな絵本がなぜ40年も読まれ続けているのでしょうか。早速、そのあらすじを韓国語とともに見てみたいと思います!

『강아지똥』のあらすじ。韓国語文章を見ながら


「돌이네 횐둥이가 똥을 눴어요.
골목길 담 밑 구석 쪽이에요.
횐둥이는 조그만 강아지니까
강아지똥이에요」

「白い毛を生やした野良犬がうんちをしました
小道の塀の脇に
こいつは小さな犬なので
いぬのうんちです」

そんな「いぬのうんち」を見て、通りかかった雀は、

「똥! 똥! 에그, 더러워…….」

「フン! フンだ! うわぁ、ばっちい…….」

と飛んでいってしまいました。その言葉に傷つき、「いぬのうんち」はわびしくて泣いてしまいます。すると、その横で転がっていた「どろんこ」が、くすくす笑い出しました。そしてこんな風に言うのです。

「똥을 똥이라 않고 그럼 뭐라 부르니?
넌 똥 중에서도 가장 더러운 개똥이야!」

「うんちをうんちと言わず何と言うんだよ
おまえはうんちの中でもいちばん汚い、犬のうんちさ!」

そういわれ大泣きをする「いぬのうんち」。しかし、「どろんこ」は傷つけてしまったことを謝りながら、身の上話を始めます。

「정말은 내가 너보다 더 흉측하고 더러울지 몰라….」

「本当は、わしがおまえより、あくどくて、汚いかもしれない…」

「どろんこ」は、畑で穀物や野菜を育てていたのだけれど、干ばつがひどかった夏に「とうがらし」の木を死なせてしまったことをとても悔やんでいたのです。

春になり、「いぬのうんち」の目の前にタンポポの芽が顔を出しました。「いぬのうんち」が「君は誰?」と聞くと、

「‘난 예쁜 꽃을 피우는 민들레야’
‘얼마만큼 예쁘니? 하늘의 별만큼 고우니?’
‘그래, 방실방실 빛나’
‘어떻게 그렇게 예쁜 꽃을 피우니?’」

「‘私はきれいな花を咲かせるタンポポよ’
‘どれくらいきれいなの? 空の星のようにきれい?’
‘そうよ。にこにこと咲くのよ’
‘どうしたら、そんなにきれいな花を咲かせられるの?’」

「いぬのうんち」がしたこの質問に、「タンポポ」が答えると、その答えに「いぬのうんち」は大喜びをし、意外な行動に出ます。

「いぬのうんち」がとった行動は、子供だけでなく大人をも感動させるものでしょう。生命の大切さ、不思議さ、そして取るに足らないものにも目を配り、大切にする心など、多くのことを教えてくれます。

私はこの本を2歳の娘に最初は韓国語で読み、次に日本語に訳しながら読み聞かせてみましたが、神妙な顔つきで聞いていました。「また読んで」とねだりもすれば「いぬのうんち、死んじゃったの?」と心配をしたりもします。そこから「いのち」に関する親子の会話が生まれます。子供にも、響くものがあるのでしょう。

次ページで、韓国の絵本の入手方法や、読む際の意外と難しい点などをお届けします!