第3の力「実行力」
最後に必要なのは「実行力」です。自分の危険レベルが分かって、こういうことが起こりうるかもしれないと考えて、弱点が分かれば、次にすべきことは対策を実行することです。遠回りでも明るい道を選ぶ |
危険な状況、怖い場面を想像したら、そうならないために何をすべきか、が見えてくるはずなのです。そして、すぐにもその対策を実行すること、すなわち安全対策の実行力が、被害を遠ざける不可欠の条件だといえるでしょう。
帰宅時に夜道を歩いているときには、携帯電話の通話やメールなどで自分の目と耳からの情報を自分でさえぎることがないように、姿勢をよくして顔をしゃんと上げ、よく周りを見ることです。周囲の異状にいち早く気がついて安全な場所へ逃げることができるように、特に後方への注意を怠らず、ときおり振り返りましょう。不審者に目をつけられて狙われたり尾行されたりしないように、不審者を自分が先に見つけるつもりで、目を凝らしてよく見ましょう。先に見つけたら、逃げることが出来るはずです。
そして、(怖い)(気になる)(なんだかイヤ)と不安に思うような人物や車両を見つけたら、すみやかにごく自然に、コンビニや駅などひと気のある場所に戻りましょう。怖いからと自宅に帰ってしまうと自宅を特定されてしまいます。他人に見えるもの、聞こえるものは、すべて自分の個人情報と考えましょう。他人に知られたくないことは、できる限り表に出さないよう、注意を払いましょう。
やむを得ず暗い道を通るとか、どうしても夜遅い帰宅時間になるといったように避けられない事情がある場合は、防犯ブザー、ホイッスルなどの防犯グッズを携行したり、タクシーを利用するなどしましょう。経費はかかっても命には替えられません。「安全経費は必要経費」と考えましょう。タクシー代をケチって徒歩で帰宅して、途中で事件に巻き込まれたとしたら、泣くに泣けないでしょう。また、防犯ブザーは子供のためだけではなく、女性や高齢者が持ち歩くにも便利で効果的なものです。
窓も“情報”です |
自分の安全に関心がある人は、すでにある程度の対策をしているはずです。本当に対策すべき人たちは、なかなか安全対策を実行しようとしません。むしろ、まったく何も考えていない人が多いようです。しかし、「いつかしよう」と思っているだけでは何も変わりません。出来ることがあるなら、しておくべきです。そうでなければ、万が一、被害に遭ったときに、(あのときああしておけばよかった)と後悔することになってしまうでしょう。
「風邪を引かないでね」といったときにすべき対策が、「手洗い、うがい、栄養、睡眠」といった基本的なものでしかないように、安全に対しても、「よく見る、携帯電話で通話やメールをしながら歩かず顔を上げて歩く、玄関ドアは開けたらすぐ鍵をかける」といったように、きわめて簡単なことでしかありません。
女性だけでなく、誰にとってもいつ、何が自分の身に起きるか予測はできません。しかし、あらゆる事態を想定して、心の準備をしておくこと、「3つの力~情報力・想像力・実行力」を駆使して、出来るだけの対策をしておくことが、自分の身を守る唯一の方法です。今すぐ、今日からでも出来ることをする実行力を発揮しましょう。
■あなたの一票/凶悪事件続発。あなたの安全意識は変わりましたか?
あなたの一票【過去の一覧】で結果をご覧下さい。
■関連防犯ガイド記事
・真夜中の待ち伏せ
・ちょっと待て!歩行中の携帯電話
・表札や窓からも漏洩する個人情報
・防犯に役立つ知識を読み物形式の記事で紹介
・ストーカー
■現場取材時のエピソードなど、記事では書けない話をメルマガで書いています。ぜひ、この機会に「防犯」メルマガをご登録ください。