防犯/防犯関連情報

車から刃物で!切りつけ“通り魔”の凶行(3ページ目)

夜間の細い道路でそばを通る車から刃物で女性に切りつける通り魔事件が埼玉県で発生しました。被害者は全員自転車に乗った若い女性でした。事件の考察と被害を防ぐための防犯ポイントを。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

「切りつけ通り魔」への防犯対策

肌の露出に注意
肌の露出に注意
女性が腕や脚を露出している夏の時期を選んでの犯行とも思われるため、半袖や脚を狙われる危険性を考えればスカート姿で自転車に乗る女性は警戒が必要です。とくに脚や腕の肌は夜目にも白く目立ち、ターゲットとして目をつけられやすいでしょう。

スカートは、前から狙われたら簡単にめくれてしまいます。腕や脚がかくれる衣服を着ていても被害に遭う危険性はありますが、直接肌に刃物が当たるよりダメージが少ないはずですから、できる限り長袖、パンツスタイルなどの肌の露出を控えた服装がより安全です。

時間帯がそれほど遅くなく、十代の女性でも通行する時間帯であるからといって、「まだそんなに遅くないから大丈夫」と思い込むのは危険です。日が落ちて暗くなったら、午後8時でも深夜1時でも変わりはありません。暗くなってからの時間帯を選んでいるのは、犯人が自分の車を特定されることを避けてのことでしょう。昼間見るのとは違って、夜間の暗い状況では、たとえば、「暗緑色」「紺色」「黒色」など、濃い色合いの車では色を特定することすら難しいものです。白っぽい車でも、「白色」「銀色メタリック」「アイボリー」など、夜間には見極めることは困難になります。

ましてや車と人がすれ違った後で、しかも切りつけられた痛みで立ち止まったとしても、気づいたときにはすでに車は被害者の後方に走り去っており、襲撃のためにスピードがそれほど出ていなかったとしても自動車ですから、あっと言う間に遠く去って、暗闇の中で見えるのはテールランプだけということになります。車種や車体の色、ナンバープレートの数字、逃げた方向など、傷を負った被害者が気を回す余裕などとてもないのではないでしょうか。

また暗い通りで車のエンジンをかけてライトを消して止まっていれば、他の人からは見えにくいものです。逆に街灯に照らし出された自転車に乗った若い女性などは遠くからでも見えるものです。つまり、犯人側から先に発見されてしまっているということです。徒歩では下を向いて歩かない、自転車でもできるだけ遠くまで見渡して、止まっている車や前方から来る車に早く気づくように自分の目からの情報を大切にしましょう。

魔の「すれ違うとき」

ヘッドライトで見えない
ヘッドライトで見えない
街灯が少なく、周囲が田畑などで民家もまばらで、ガードレールのない暗く細い通りを通行する女性は十分な警戒が必要です。特に前方から来る対向車に注意して、対向車のヘッドライトに気づいたら立ち止まってやり過ごすことです。

その際、自転車をまたいだまま立ち止まるのではなく、自分が道路の左側を通っていれば左側に降りて、両手はハンドルではなく、右手はハンドルから離してサドルを持つなどして、自転車の向こう側=車のある側に手や脚が出ないようにしましょう。すれ違いのときに体の一部、腕や脚などが車側に残らないように立ち止まることがポイントです。自転車に乗る前に対向車が来たときにはこうしよう、とイメージしておき、安全に立ち止まることを心がけましょう。

徒歩でも自転車でも右側通行をしていれば、今回の犯人のターゲットにはなりにくいと考えられますが、徒歩で通行する女性も、対向車が来た場合はやはり立ち止まり、壁と平行に立つようにして、バッグなどで体の前面をガードして、できる限り車から体を離しましょう。さりげなく車内を見て、男か女か、年代はどれくらいかなど、できるだけ情報を得ることです。

対向車のヘッドライトを見るのではなく、車内の運転者を見極めるつもりで目を向けましょう。少なくとも車のどちら側に運転者がいるのか、右ハンドルか左ハンドルか確かめましょう。自分のいる側に運転者がいればよりいっそうの注意をして、もし不審な感じがした場合は、できれば携帯電話のカメラをオンにして、車両の後ろ側、テールランプの間のナンバープレートあたりを写すくらいのつもりがあるといいでしょう。

すれ違う一瞬に、車から刃物が襲ってきます。すれ違う瞬間は「魔のとき」と認識して、被害に遭わないよう警戒レベルを上げておきましょう。


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